英語ゼロで入国審査を乗り越えた話——ワーキングホリデーは「準備ができてから」では遅い

「英語力がもう少しついてから行こうと思って。」

ワーホリや語学留学を考えている人から、よくこの言葉を聞きます。

気持ちはわかります。でも正直に言います。

その「もう少し」は、永遠に来ません。

私自身が、英語ゼロでカナダへ飛び込んだ経験者です。今日はその話をします。


目次

入国審査で身長を答えた男

1998年。私は21歳で、英語がほとんどできないままカナダへワーキングホリデーで渡航しました。

バンクーバーの空港に降り立ち、入国審査のブースに並びました。

審査官がいくつか質問してきます。でも何を言っているのかさっぱりわかりません。聞き取れる単語を拾いながら、必死に頭を回転させました。

「……何か数字を聞かれている。」

「……自分に関係する数字。」

「……そうだ、身長と体重に違いない!」

私は自分の身長と体重を、一生懸命英語で答えました。

今思えば、入国審査で身長を聞かれるはずがありません。審査官は目の前にいる私を見れば、大体わかります。実際に何を聞かれていたのか、今でも正確にはわかりません。

それでも何とか審査を通過し、入国できました。しかも通常は入国時に半年分しかもらえないワークビザが、なぜか1年分もらえていました。審査官のミスだったのか、私の必死な様子を見て融通してくれたのか、今となっては謎です。

入国できた瞬間の嬉しさは、今でも忘れられません。


英語ゼロでも、カナダで暮らせた

バンクーバーで2ヶ月過ごした後、カナダの首都オタワへ移動しました。

オタワでは日本食レストランのキッチンで働き始めました。英語が必要ない職場です。週末は日本人の友達とスノーボードをしたり、ビリヤードをしたり、バーで飲んだり。気づけば英語をほとんど使わない毎日でした。

英語力はあまり伸びませんでした。正直に言えば、「1年間遊んできた」と言われても仕方ないくらいの英語力のまま帰国しました。

でもこの1年間は、私にとって絶対に必要な1年間でした。

カナダという国の空気を体で知ることができた。海外で一人で暮らすことへの恐怖がなくなった。そして何より、英語を好きになった。

英語ができなくても、カナダで暮らせた。自分の話す拙い英語が通じた瞬間の感動。それが、後に本気で英語を学ぼうと決意するための土台になりました。


「準備ができてから」が危険な理由

ワーホリや語学留学を考えている人が踏み出せない理由として一番多いのが、「英語力」の問題です。

「もう少し英語が話せるようになってから行きたい。」 「TOEIC何点以上になってから行こうと思っている。」 「英会話スクールに通って、ある程度できるようになったら。」

でも、これには根本的な問題があります。

日本にいながら英語を「話せる」ようになることは、ほぼ不可能だからです。

英語は「知識」ではなく「スキル」です。自転車の乗り方を本で読んでも自転車には乗れないように、英語も実際に使う環境に飛び込まなければ話せるようにはなりません。

「準備ができてから行く」と言い続けた人が、気づけば30代になり、仕事も生活も固まってしまって動けなくなる——そういうケースを何人も見てきました。

ワーホリには年齢制限があります。カナダへのワーキングホリデービザは、原則として30歳以下が対象です。使える権利があるうちに、使うべきです。


英語ゼロで行って良かったこと

英語ゼロでカナダへ行って、本当に良かったと思うことがあります。

それは、英語に対する恐怖心がなくなったことです。誤解しないでくださいね。英語をしっかり準備することも大切です。より安全によりカナダ生活を楽しむ為には英語力はあった方が良いです。

それでも、「英語がある程度出来るまで」と決断を先に遅らせてしまい、その結果、日常の忙しさや、仕事や周りの変化に流されてしまい、留学、ワーホリという海外生活が出来なくなる年齢になってしまうのを後悔して欲しくないのです。

英語ゼロで飛び込んでも、何とかなりました。死にませんでした。ご飯も食べられたし、仕事もできたし、友達もできました。

この経験があったから、6年後にハリファックスへ語学留学した時、「英語が話せなくてもとりあえず行ける」という確信がありました。そしてハリファックスでは、本気で英語と向き合うことができました。

英語ゼロで行く怖さより、行かずに後悔する怖さの方が、ずっと大きいと思います。


ワーホリと語学留学を組み合わせる

カナダへのワーキングホリデーと語学留学は、組み合わせることができます。

おすすめの組み合わせパターンは以下の通りです。

パターンA:語学学校 → ワーホリ 最初の数ヶ月を語学学校で英語の基礎を固め、その後ワーホリとして働きながら英語を実践する。英語力ゼロで行く人に特におすすめです。

パターンB:ワーホリ → 語学学校 最初にワーホリとして働きながらカナダの生活に慣れ、後半に語学学校で集中的に英語を学ぶ。すでにある程度英語が話せる人向け。

パターンC:語学学校のみ(3〜12ヶ月) ワーホリビザを使わず、学生ビザで語学学校に集中する。英語力の向上だけに特化したい人向け。

どのパターンが合うかは、目的・英語力・期間・予算によって変わります。お気軽にご相談ください。


Nobody stops you except yourself.

カナダで出会った語学学校の先生がよく言っていました。

The only person stopping you is YOU.

あなたを止めているのは、あなただけ。

英語力がないから行けない、お金がないから行けない、仕事があるから行けない——そういう「止める理由」は、いくらでも作れます。

でも、本当に止めているのは、あなた自身の中にある「恐怖」だったりします。

その恐怖を乗り越えた先に何があるか。それは乗り越えた人にしか見えない景色だと思いますが、実際やってみると、もっと早く決断すればよかった、自分は何を恐れていたんだろうと思えるものだったりします。

まず一歩、留学のための会話を始めてみましょう。

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この記事を書いた人

カナダ・ウィニペグ在住。株式会社キャタリストカナダ代表。1998年、英語ゼロでカナダへワーキングホリデー渡航。2004年、28歳で仕事を辞め妻とともにハリファックスへ語学留学。英語教師資格CELTA取得・TOEIC935点。2007年創業以来、カナダ高校留学・語学留学・サマーキャンプの支援を続けています。自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住だからこそ伝えられるリアルな情報を、保護者・学生・社会人の皆さんにお届けします。

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