こんにちは。キャタリストカナダの水谷です。
先に結論をお伝えします。カナダの地域や学校は、「ダイバース(diverse=多様な)」と「ホモジェナス(homogeneous=単一の)」という2つの言葉で見分けられます。そして、どちらが正解かは存在しません。あるのは、「お子さんがどちらでやっていける子なのか」だけです。 ここを見ずに、「英語のため」「費用が安いから」で環境を決めると、子どもは現地で孤立します。逆に、準備してきた子をパンフレットだけで大都市に送ると、「こんなはずじゃなかった」になります。
この記事は、下の動画でお話しした内容を、文章でも読めるようにまとめたものです。
「ダイバース」と「ホモジェナス」——カナダを見るための2つの言葉
ダイバース=いろいろな国の人が、一つの場所で共存している
ダイバースという言葉は、近年「ダイバーシティ(多様性)」として日本でも聞くようになりました。その語源にあたる形容詞です。カナダでは日常的に「この地域はすごくダイバースだよね」「あの学校はダイバースだよね」という言い方をします。
意味するところは、その地域・その学校に、アジア、アフリカ、南米、ヨーロッパなど、いろいろな国にルーツを持つ人たちが暮らしている、ということです。バンクーバー、カルガリー、トロント、そして私が住むウィニペグも、大都市はほとんどがダイバースです。一台のバスに乗れば、何か国語も耳に入ってきます。
日本で海外ドラマを見ていると、北米は英語を母語とする人ばかりの環境だと思われがちです。実際のカナダは、圧倒的にダイバースな場所のほうが多い。まず、この前提を知っておいてください。
ホモジェナス=単一の。日本がまさにそうです
反対側にある言葉が、ホモジェナスです。聞き慣れないかもしれませんが、ぜひ覚えていただきたい。なぜなら、日本がまさにホモジェナスな国だからです。日本の文化があり、日本でしか話されない日本語があり、日本人の考え方という価値観が、ある程度一つのものとして存在している。
カナダでホモジェナスな地域というと、国ができたときにイギリスやフランスから渡ってきた人たちの流れをくむ家庭が多く残っている町のことを指します。英語を母語とする子がほとんどという環境です。昔からあるエリア、田舎、小さな町には、まだ移住者が少なく、こうした環境が残っています。
一つだけ、先にお願いしたいこと
ここで、留学に行く前のお子さんに必ず覚えておいてほしいことがあります。
ダイバースな環境にいる、いろいろな国から来た人たちも、カナダ人としてカナダを自分のホームにして生きています。「カナダ人じゃないじゃん」と言ってはいけません。私だって、移住してカナダ国籍を取れば、カナディアンです。カナディアンであることを誇りに思って暮らしている人がそう言われたら、どんな気持ちになるか。その国のあり方へのリスペクトは、英語力よりも先に持っていってほしいものです。
0か100ではない。「寄り」で考える
ダイバースかホモジェナスかは、どちらか一方ではありません。一本の線があって、こちらがダイバース、こちらがホモジェナス。その線の上に、それぞれの町や学校が置かれています。同じウィニペグの中でも、このエリアはダイバース寄り、このエリアはホモジェナス寄り、ということがあります。「寄り」で考えてください。
「英語のため」にホモジェナスへ飛び込む前に、見るべきこと
英語だけを考えたら、ホモジェナスな環境に飛び込んだほうがいいのかもしれません。周りは英語を母語とする子ばかり。日本語に逃げる場所がない。そう考える保護者の方は多いと思います。
でも、ここで見間違えないでほしいのです。そのホモジェナスな環境に飛び込んで、やっていける性格の子なのか。
一人で親元を離れ、いきなりカナダに行き、留学生も少なく、英語力もまだ低い。部活も、音楽も、スポーツも、特にやることがない。そういう子は、**現地の子とつながりを持てる接点が、ほとんどありません。**英語を学ぶにはいい環境かもしれない。でも、その子が5ヶ月、10ヶ月、1年と、そこで継続して生活していける場所なのか。ここをしっかり判断してあげる必要があります。
「日本人が少ないところに行かせたい」という発想自体はとても良いものです。ただし、それが自動的に「田舎」や「ホモジェナス」を意味するわけではありません。この点は「日本人が少ないところ」の選び方——それ、田舎とは限りませんで詳しく書いています。
留学プランは、必ず「留学生から」スタートする
私がいつも言うのは、留学プランを立てるときに大切なことは3つある、ということです。
- **留学生がどんな子なのか。**性格、やりたいこと、ストレスの解消法、休日の過ごし方。
- **環境。**どんな留学先があり、どんな環境なのか。
- **ご家庭。**予算、お考え、そして安心できる要素。
この3つが合っていることが大事なのですが、**順番が決まっています。必ず、留学生からスタートする。**留学生からスタートしないと、その後が苦しむ留学になります。
正直に言います。私は長いこと高校生の留学をやってきましたが、「どこからスタートするのが大事か」が見えてくるまで、時間がかかりました。毎年毎年、いろいろな経験をして、ようやく自信を持って「その子から組み立てる」と言えるようになった。だから今、はっきり言えます。
留学生のことを考えずに、まず予算はいくらで、エージェントのオフィスに行ったらパンフレットを出されて、「これ良さそうね」「これ良さそうね」。「どう?」と聞かれた子どもは、「うーん、いいんじゃない?」。この子のことを考える部分が抜けたまま始まった留学で、行ってから苦しむのは、この子です。
どちらの環境が、どんな子に合うのか
ダイバースな環境から始めるのが合う子
ダイバースな環境は、英語サポートが手厚い傾向があります。留学生だけでなく、英語のサポートを必要とする子がもともとたくさんいるからです。そして、日本人もカナダに入ればその他大勢の一人。見た目も近いアジア系の子や、同じ立場の子がたくさんいるので、入りやすい。
だから、英語力がまだ低い子、慎重な子、シャイな子は、ダイバースな環境から選び始めるのが一つの答えです。
ただし、誤解しないでください。ダイバースな地域にも、カナダで生まれ育った2世・3世・4世の子がたくさんいます。**英語が第一言語の子も多い。**目で見たときに多国籍だというだけで、「英語が弱い環境」ではありません。私はどちらがいいとは思っていません。どちらの学校もたくさん見に行っていますが、いい学校はどちらにもあります。
3年のプログラムなら、「1年目ダイバース → 2・3年目に移る」という設計もある
卒業を目指す3年のプログラムなら、1年目はダイバースな環境でスタートし、そこで英語力を高めて、2年目・3年目にもっと英語力を伸ばすための環境へ移っていく。こういうプランニングもありだと思います。1年目をどう設計するかについては、1年か卒業か——1年目を「その子が伸びる環境」で設計するでも詳しく書いています。
ホモジェナスな環境で伸びる子
子どもの頃から英会話をして、夏休みにはサマープログラムに参加して、中学3年・高校1年になるまでしっかり準備をしてきた。英語力があって、性格も外向き。フレンドリーで、アウトゴーイング。こういう子は、ホモジェナスな環境に入っていくと伸びる可能性が高いです。
ところが——こういう子が、パンフレットだけを見て「バンクーバーいいよね」「あの辺のエリアいいよね」と選んでいくと、行ってみたら「めちゃくちゃダイバースじゃん」となることがあるのです。すごくがっかりして、「こんなはずじゃなかった」につながる。準備してきた子ほど、起きやすいミスマッチです。
「安いから」で決めると、居場所を失う
もう一つ、正直に言っておきます。英語のことだけ、あるいは費用が安いからという理由で、シャイで内向的で慎重な子をホモジェナスな環境に飛び込ませてしまうと、友達が作れない、自分の居場所が見つけられない、何を言っているか分からない——そうなってしまいます。費用の話は見積書に載ってこない留学費用シリーズでも書きましたが、安さで選んだ環境が合わず留学が途中で終わることが、結局いちばん高くつきます。
生活があっての、勉強です
いろいろな考え方があると思います。でもカナダ高校留学は、子どもが親元を離れて行く留学です。その子がどんな子で、どんな生活スタイルを持っている子なのかを抜きにして、「この環境で行ってこい」というのは、あまりにも酷だと私は思います。
生活があっての、勉強です。そこをお父さん・お母さんにも理解していただいた上で、いい環境を提案できればと思っています。
まずは、プロフィールシートから始めます
キャタリストカナダでは、カウンセリングの前に「プロフィールシート」の記入をお願いしています。お子さんがどんな子なのか、どんな性格で、どんなことが好きで、何を留学に期待しているのか。そして、お父さんが心配していること、お母さんが心配していること。
これを先に教えていただいた上で、お子さんをある程度理解させていただいてから、ダイバースなのか、ホモジェナスなのか、その真ん中なのか——合う環境を一緒に探します。私たちは特定の学校を売り込みません。
よくある質問(FAQ)
Q. 「ダイバース」「ホモジェナス」とは、カナダ留学ではどういう意味ですか? A. ダイバース(diverse)は「多様な」。いろいろな国にルーツを持つ人が共存している地域・学校を指します。ホモジェナス(homogeneous)は「単一の」。英語を母語とする家庭が多く残る、昔からの町や小さな町を指します。どちらか一方ではなく、「ダイバース寄り」「ホモジェナス寄り」という線の上で捉えます。
Q. 英語を伸ばすなら、ホモジェナスな環境を選ぶべきですか? A. 英語力があり、外向きで、準備をしてきた子には合います。一方で、英語力がまだ低く、慎重でシャイな子が「英語のため」だけで飛び込むと、現地の子とつながる接点がなく孤立することがあります。先に見るべきは環境ではなく、お子さんがそこでやっていける子かどうかです。
Q. ダイバースな環境だと、英語が伸びにくいのではないですか? A. そうとは限りません。ダイバースな地域にも、カナダ生まれの2世・3世で英語が第一言語の子が多くいます。加えて英語サポートが手厚い傾向があるため、英語力が低い段階ではむしろ伸びやすい環境になり得ます。
Q. バンクーバーやトロントはどちらですか? A. 大都市はほとんどがダイバースです。バンクーバー、カルガリー、トロント、ウィニペグもそうです。「バンクーバーいいよね」とパンフレットだけで選ぶと、準備してきた外向きの子ほど「こんなはずじゃなかった」と感じることがあります。
Q. 3年の卒業留学では、どう設計すればいいですか? A. 1年目をダイバースな環境でスタートして英語力を高め、2年目・3年目にもっと英語を伸ばせる環境へ移る、という段階的なプランも選択肢です。1年目の設計については「1年か卒業か」の記事で詳しく解説しています。
Q. 学校を決める前に、何から始めればいいですか? A. お子さんのことを書き出すことからです。キャタリストカナダではカウンセリング前にプロフィールシートをお願いし、性格・好きなこと・留学への期待・ご両親の心配を先に共有していただいた上で、合う環境を一緒に探します。
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