留学のことを話すとき、私はいつも「環境を変えれば人は成長する」とお伝えしています。でも、その「成長」は、いつもきれいで、まっすぐなものとは限りません。
むしろ本当の成長は、不安や、怖さや、「もう帰りたい」という気持ちと向き合うところから始まることが多いんです。今日は、そのことを思い出させてくれた、ある16歳の女の子の話を書きたいと思います。
到着初日の、SOS
先日、私はエージェント仲間の一人と一緒に、トロントのある学校を訪問しました。その学校に、中学を卒業したばかりの、15歳の女の子が留学していました。
彼女は、カナダに到着したその日に、こう相談していたそうです。
「もう日本に帰りたいです。今から日本に帰ったら、私はどうなりますか?」
到着した、その日にです。
想像してみてください。15歳。中学を卒業したばかり。親元を離れて、言葉も文化も違う、地球の反対側の国に、たった一人で降り立つ。心細くないわけがありません。怖くないわけがありません。「帰りたい」と思うのは、弱さではなく、ごく自然な、人間らしい気持ちです。
きっと、日本にいる親御さんも、その知らせを聞いて、夜も眠れないほど心配されたことと思います。私も三人の子の親ですから、その気持ちは痛いほどわかります。
1週間後、彼女は
私たちがその学校を訪問したのは、彼女がトロントに到着してから、1週間ほど経った頃でした。
到着初日に「帰りたい」と泣いていた、あの15歳の女の子。彼女は、私たちにこう言いました。
「もう大丈夫です」。
——その間に、何があったのか。正直なところ、私にはわかりません。
どんな夜を過ごしたのか。どんなふうに自分を奮い立たせたのか。誰かに支えられたのか、それとも一人で乗り越えたのか。彼女の心の中で起きた7日間の出来事は、本人にしかわからないものです。
でも、一つだけ確かなことがあります。彼女は、怖さや不安と向き合って、それでも「帰る」ではなく「ここで頑張る」ことを、自分で選んだ。15歳の女の子が、です。
私は、隣でその話を聞きながら、心から「素敵だな」と思いました。そして、こうも思ったんです。この経験は、きっとこの先の彼女の人生にとって、大きなプラスになる、と。
「帰りたい」は、終わりではなく、始まりかもしれない
カナダ高校留学を考えるご家庭が、最も恐れていることは何でしょうか。
私がカウンセリングで何度も聞いてきたのは、「うちの子が、現地で心が折れてしまったらどうしよう」という不安です。「ホームシックになったら」「やっぱり無理だと言い出したら」——多くの保護者が、この場面を想像して、留学に二の足を踏みます。
でも、あの15歳の女の子は、教えてくれました。到着初日の「帰りたい」は、留学の失敗でも、終わりでもない。むしろ、成長が始まる、最初の一歩かもしれないのだと。
不安を感じない子はいません。むしろ、不安を感じて、それでも踏みとどまった経験こそが、その子の中に一生消えない自信を残します。「あのとき、自分は逃げ出さなかった」。この記憶は、これから先、彼女が人生で困難に出会うたびに、彼女を支えてくれるはずです。
もちろん、すべての子が同じように乗り越えられるとは限りません。だからこそ、私たちエージェントや、現地のサポート体制が必要なんです。一人で抱え込ませない。でも、最後の一歩は、本人が自分で踏み出す。その瞬間に立ち会えることが、この仕事の何よりの喜びです。
留学を考えているあなたへ
お子さんの留学を考えるとき、「もし現地で泣いてしまったら」「帰りたいと言い出したら」と心配になるのは、当然のことです。親として、当たり前の愛情です。
でも、どうか覚えていてください。その「帰りたい」は、お子さんが本気で新しい環境と向き合っている証拠でもあります。そしてその気持ちを乗り越えたとき、お子さんは、出発前には想像もできなかった強さを手に入れています。
私たちキャタリストカナダは、留学中のお子さんを一人にしません。日本人スタッフ、現地のサポート、そしてネイティブ講師によるサポート体制で、お子さんと、そして親御さんの不安に寄り添います。「帰りたい」の夜を、一緒に乗り越えます。
「うちの子に、できるだろうか」。その不安も含めて、まずはお話を聞かせてください。
それでは、また次の記事で。


