「うちの子、英語が特別得意なわけじゃないんです。それでもカナダの高校に行けるんでしょうか?」
カウンセリングで、いちばん多くいただく質問のひとつです。お子さんの留学を考え始めた保護者の方ほど、「英語ができないと迷惑をかけるのでは」「そもそも入学を断られるのでは」と心配されます。
結論からお伝えします。英語力は「行ける/行けない」を分ける条件ではなく、「どの学校が合うか」「日本で何を準備しておくか」を考えるための材料です。 この記事では、英検・IELTSが入学に必要なのか、どのくらいの英語力があれば安心か、そして“日本での準備”が現地での伸びを大きく左右する理由を、カナダ在住のエージェントの視点で正直にお話しします。
結論:多くの公立高校では、英検・IELTSは「入学の条件」ではありません
まず押さえておきたいのは、大学留学と高校留学はルールが大きく違うということです。大学はIELTSやTOEFLのスコア提出が前提になりますが、カナダの公立高校(教育委員会)の多くは、入学時に英検やIELTSのスコア提出を必須としていません。
その代わり、多くの公立校では入学後に英語レベルを確認し、必要に応じて ESL(英語を母語としない生徒のための英語サポート) を受けながら、通常の授業に少しずつ移行していく仕組みが整っています。「完璧な英語で入学する」のではなく、「学びながら英語を伸ばす」前提で受け入れてくれる、ということです。
留学生が多い教育委員会は、ESLの授業が充実しているところが多いです。逆に小さな町の教育委員会など留学生が少ないとESLを必要とする学生が少ないのでESLの授業が開催されない場合もあります。これは教育委員会によりますので英語力に合わせてお勧めする教育委員会も変わります。
ここで、キャタリストカナダの強みが効いてきます。私たちはカナダ全州の教育委員会・学校と提携しているため、お子さんのレベルに合った受け入れ体制の学区を、特定の地域に縛られず全国から選べます。「この州しか扱えない」エージェントには難しい学校選びができます。
→ 学校選びの考え方は カナダの高校・州の選び方 でも詳しく解説しています。
いちばん大切なのは、実は「今の英語力」ではありません
20年この仕事をしてきて、断言できることがあります。英語が伸びるかどうかを最も左右するのは、出発時のスコアではなく、「上達したい」という本人の意欲です。当たり前に聞こえるかもしれませんが、これが本当に大きい。意欲のある子は、吸収が違いますし、多少の不安があってもぐんぐん伸びます。どんどん会話に向かっていきます。逆に、ここが弱いと、どれだけ準備しても伸び悩みます。
この「意欲」の話はとても大切なので、別の記事であらためて詳しくお伝えします。この記事では、その意欲を最大限に活かすために、日本にいる間にやっておくべき準備に焦点を当てます。
では、どのくらいの英語力があればいい?──「完成」ではなく「土台」
「英検何級ないとダメ」という基準はありません。ペラペラである必要はまったくありません。
ただ、ここで一点だけ誤解しないでほしいことがあります。それは、「何もしなくても、現地に行けば自然に身につく」わけではないということです。
これは言語学の定説ではなく、私たちが現地で見てきた実感ですが——高校留学を始める、15歳・16歳にもなると、日本語での思考や人格の形成がかなり進んでいて、「聞いていれば、環境の中にいれば、自然に覚えていく」という時期は過ぎつつあります。 幼児がことばを吸収するようには、もういきません。
だからこそ、日本にいる間に英語の“基礎知識”という土台——基本的な英単語と文法——を、意識して作っておくことが、現地での伸びを大きく左右します。「完成」させる必要はありませんが、「土台」は日本で準備しておく。これが現実的で、もっとも効率の良い進め方です。
カナダは「知識を“使えるスキル”に変える」最高の環境
では、カナダに行く意味はどこにあるのか。それは——日本で身につけた“知識”を、実際に使える“スキル”に変えられることです。これこそ、英語圏で生活する最大のメリットです。
日本で覚えた単語や文法を、現地の生活の中で「見たことある」「聞いたことある」「使ってみた」という体験に変えていく。授業で、ホームステイの食卓で、友人との会話で、知っているフレーズに何度も出会い、自分でも使ってみる。その繰り返しが、知識を本物のスキルへと育てていきます。
逆に、いちばん苦労するのが「カナダに行ってから、ゼロから勉強する」という考え方です。変換すべき“知識”という元手がないまま現地に飛び込むと、最初のしんどさが何倍にもなります。賢い順番は、「日本で土台 → カナダでスキル化」。この順番なら、カナダという環境を最大限に活かせます。
出発前の準備で、いちばん効果が高いこと
「では出発までに何をすれば?」とよく聞かれます。英検をベースに学ぶのも、参考書で進めるのも、英会話スクールに通うのも、どれも良い方法です。 大切なのは、自分に合うやり方で“英語の基礎知識”を積み上げておくこと。
そのうえで、他ではあまり語られない、現場発の効果的なコツをひとつ。
「カナダで英語を学ぶための英語」を準備しておく
意外に見落とされがちですが、カナダのESLでは、文法の説明も英語で行われます。 つまり、文法用語を英語で知っているかどうかで、授業の理解スピードがまるで変わります。たとえば——
- 現在形 → Present Simple
- 前置詞 → preposition
- 関係代名詞 → relative pronoun / relative clause
こうした「カナダで英語を学ぶための英語」を出発前に整理しておくと、現地の授業で「あ、これ知ってる」が一気に増えます。知っている → 聞こえる → 使ってみるの好循環が最初から回り、知識をスキルに変える練習を、初日から大量に積めるのです。
あわせて、英語の音に耳を慣らしておく(動画・ポッドキャストを毎日少しでも)、生活で使うサバイバル英語を覚えておく、そして「間違えてもいい」という姿勢を持っておくこと。これらも、最初の立ち上がりを大きく助けます。
→ 留学前に知っておきたい基礎は 留学を始める前の基礎知識 にまとめています。
英検・IELTSが必要になるケースもあります(正直に)
良いことばかりお伝えするのはフェアではないので、正直に書きます。学校のタイプによっては、一定の英語力やその証明を求められる場合があります。
- 私立校・全寮制(ボーディング)校・IB校など、学力水準の高い学校
- 卒業後すぐの海外大学進学を強く意識したプログラム
こうした進路では、英語力の証明(英検・IELTS等)や面接が求められることがあります。
私立全寮制のボーディングスクールは、11年生(高校2年生)にもなると、ほとんどの学校で、ESLのサポートはなくなります。10年生からない学校も珍しくないです。レベルの高い授業についていくために学年が上がるほど入学時の英語力は高いものを要求されます。
公立・私立の違いは 私立・公立の違い を、全寮制を検討中の方は 全寮制高校という選択肢 もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 英検は何級あれば安心ですか?
学校のタイプによります。公立校+ESLなら級にこだわらず始められるケースが多いですが、私立・全寮制では一定レベルを求められることも。「何級あればOK」より「日本でどんな土台を作るか」「どの学校が今のレベルに合うか」で考えるのが正解です。
Q. 英語がほとんど話せなくても、現地で自然に身につきますか?
高校生年代になると、ただ環境にいるだけで自然に身につく時期は過ぎつつある、というのが私たちの実感です。だからこそ、日本で基礎知識という土台を作り、それをカナダで「使えるスキル」に変えていく——この準備が大切です。
Q. ESLとは何ですか?
英語を母語としない生徒のための英語サポートです。現地校で英語を補いながら、通常授業へ少しずつ移行していく仕組みです(説明は英語で行われます)。
Q. いつから準備すればいいですか?
早すぎることはありません。基本英単語・基礎文法、そして「カナダで英語を学ぶための英語(文法用語)」を、出発までに少しずつ整理しておきましょう。
まとめ:英語力は「行ける/行けない」ではなく「どう準備するか」
英語に自信がなくても、カナダの高校留学は始められます。必要なのは完璧なスコアではなく、上達したいという意欲と、日本でしっかり作る基礎知識の土台、そしてお子さんに合った学校選びです。準備した知識を“使えるスキル”に変えてくれる——それがカナダという環境の本当の価値です。
キャタリストカナダは、カナダ全州の学校から、お子さんに本当に合う一校を中立にご提案します。「留学を勧めること」が目的ではありません。相談後の無理な勧誘も一切ありません。
- まずは個別に相談したい方 → 無料カウンセリングを申し込む
- まだ情報収集の段階の方 → 無料メールセミナーで基礎から学ぶ
「英語が不安」は、留学をあきらめる理由にはなりません。正しく準備すれば、留学こそが、その不安をいちばん早く力に変えてくれます。
【無料ダウンロード】基本英文法用語 英日対応表(印刷用PDF)
記事の中でお伝えした「カナダで英語を学ぶための英語」を、すぐ使える一覧にまとめました。現在形=Present Simple、前置詞=preposition、関係代名詞=relative pronoun など、ESLの授業で実際に出てくる文法用語を、英語と日本語のセットで掲載しています。
印刷して机のそばに貼っておくと、現地の授業で「あ、これ知ってる」が増えていきます。日本で身につけた“知識”を、カナダで“使えるスキル”に変えるための土台として、出発前の準備にぜひお役立てください。
※ このPDFは無料です。印刷してご自由にお使いください。

