まず、結論から。学校選びは「5つの軸」で決まります
「どの学校がいいんだろう?」「何を基準に選べばいいのか分からない」——このページにたどり着いたあなたも、きっとそうではないでしょうか。
カナダには、日本の文部科学省にあたる国レベルの教育機関がありません。教育は州ごとに管理され、さらにその州の中が複数の教育区に分かれていて、留学生の受け入れもこの教育区ごとに行われています。その数、カナダ全国で112の教育区。同じカナダの公立高校でも、州や教育区が違えば年間費用に100万円近い差が出ることさえあります。
選択肢が多すぎて迷うのは、当然のことです。でも逆に言えば——「自分はどんな留学をしたいのか」という軸さえ定まれば、お子さんに本当に合う一校は必ず見つかります。
この記事では、20年間カナダ全土で学校を実際に見てきた私が、後悔しない学校選びの判断軸を5つに整理してお伝えします。まずは全体像から。
| 判断軸 | こんな方に重要 | 向いている留学先の目安 |
|---|---|---|
| ① 地域・都市規模 | 英語力を伸ばしたい・治安重視・自然が好き | 小〜中規模都市/自然環境 |
| ② 留学生・日本人の数 | カナダ人の友達を作りたい・英語環境を最大化したい | 日本人留学生の少ない教育区 |
| ③ 学校の大きさ | スポーツチームに入りたい・少人数クラスが好き | 目的次第(大規模=コース豊富/小規模=チームに入りやすい) |
| ④ コース・スポーツ | やりたいことが明確・IB取得希望・特定の競技がある | 該当コースやアカデミーのある学校 |
| ⑤ 予算 | 卒業まで考えている・費用を抑えたい | 東部の教育区(費用が比較的安い傾向) |
なお、「カナダの高校をランキングや偏差値で選びたい」という方もいますが、カナダには全国ランキングも偏差値も存在しません。 だからこそ、この5つの軸で「自分に合うか」を見ていくことが、後悔しない選び方になります。詳しくはカナダの高校にランキング・偏差値はない──それでも合う学校を選ぶ方法をご覧ください。学校選びを始める“時期”の目安は、準備スケジュールの逆算カレンダーで解説しています
それでは、順番に見ていきましょう。
① 地域・都市規模から選ぶ
結論:英語力を最優先するなら、大都市より「小〜中規模の街」がおすすめです。
カナダは広い国です。西海岸のバンクーバーと東海岸のハリファックスでは、時差が4時間もあります。同じ国の中で、です。留学先は、大都市・小都市・田舎町まで幅広く、それぞれに良さがあります。
大都市(バンクーバー・トロント・カルガリーなど)のメリット
- 博物館・美術館・テーマパークなど、街に何でも揃っている
- スポーツ・音楽・芸術・演劇など、一流の文化に若いうちから触れられる
- 友達と気軽にショッピングや外出を楽しめる
一方で、大都市には治安面の不安があり、留学生も日本人も多くなる傾向があります。すでに英語力が高く海外経験のある方には良い選択ですが、初めての海外生活で英語力に不安がある方は、少し注意が必要です。
なお、「カナダの治安は本当に大丈夫?」という不安については、現地に暮らす立場から別記事で正直に解説しています。あわせてご覧ください。
→ カナダ高校留学の治安は本当に大丈夫?現地在住の代表が「正直に」お伝えします
小さな街・田舎町のメリット
- 何といっても、フレンドリーなコミュニティの中での英語漬けの環境
- 大都市で「英語半分・日本語半分」になりがちな留学生と比べ、英語力の伸びに歴然とした差が出ます(発音から作文力まで)
- 田舎でも設備にお金をかけている学校は多く、「小さい街=設備が貧弱」ではありません
デメリットはシンプルに、買い物や遊びの場が少なく不便なこと。これは日本の地方と同じですね。
自然で選ぶ:カナディアンロッキー
ロッキー山脈周辺では、「アウトドア教育」として山での生活・自然保護・サバイバルなどを学べるプログラムがあります。スキーやスノーボードが好きな方には、学校帰りに市バスでゲレンデへ行ける環境や、週末ごとに先生が生徒をスキー場へ連れて行ってくれる学校もあります。これこそカナダでしか受けられない高校教育です。
そして、ぜひ知っておいてほしいこと。バンクーバーやトロントのような大都市には、大学生や大人になってからでも行く機会は十分あります。ホストファミリーや学校に守られながら小さな街で過ごせるのは、高校生のうちだけです。安全面も含め、私は小さな街での高校留学を強くおすすめしています。
ハリファックスという街を選んだ私が、15年経っても得し続けていること
私自身は、高校でカナダに留学した経験はありません。本格的に英語を学びたいとカナダへ語学留学したのは28歳のとき。勤めていた会社を辞め、結婚して妻と一緒に渡航しました。
そのとき私が選んだのが、日本では知名度が低く、しかも一番遠い東海岸の街・ハリファックスでした。これが本当に良かった。今でも仕事でカナダ各地を訪れ、たくさんの人に出会いますが、「ハリファックスで英語を学んだ」と言うと、決まって話が弾みます。ハリファックス出身の人と他の街で出会ったときの親近感は、格別です。
カナダの小さな街も、誰かにとってのかけがえのない故郷です。留学先がお子さんの“第二の故郷”になる——そんな高校留学も、私はとても良いと思っています。
— 代表 水谷 通孝
② 留学生・日本人の数で選ぶ
結論:カナダ人の友達を作り、英語にどっぷり浸りたいなら、日本人・留学生が少ない教育区を選びましょう。
カナダでは教育区ごとに留学生の受け入れ方針が大きく異なります。積極的にどんどん受け入れる教育区もあれば、地元のカナダ人生徒との割合を考えて人数を制限する教育区、国籍の偏りに配慮する教育区もあります。たとえばブリティッシュコロンビア州には、留学生だけで2,000人以上いる教育区もあります。
留学生が多い学校
- メリット:世界中から集まる同じ境遇の仲間と仲良くなれ、気持ちを分かり合える
- デメリット:地元のカナダ人生徒との間に壁ができやすく、「なかなかカナダ人の友達ができない」という悩みは、留学生の多い学校の生徒に多く見られます
日本人が多い学校
- メリット:同じ日本人同士で助け合え、情報交換ができる
- デメリット:ついつい日本語で話してしまい、英語の勉強が進まなくなる。これが最大の落とし穴です
実際、私が視察した留学生の少ない高校では、留学生と地元のカナダ人生徒が自然に交じり合って話し、遊んでいる様子をよく目にしました。「英語力を最大化したい」が一番の目的なら、日本人が少ない環境——これは20年見てきた私が、自信を持ってお伝えできる原則です。
③ 学校の大きさで選ぶ
結論:「やりたいスポーツでチームに入りたい」なら小規模校が有利。コースの豊富さを求めるなら大規模校です。
カナダの高校は、都会では3〜4学年で構成され、大きな学校だと生徒数が3,000人ほどになります。一方、小さな田舎町では幼稚園から12年生までが同じ校舎、ということもあります。
大規模校のメリット・デメリット
- メリット:コースが豊富。パイロット養成・CAD製図・ロボット工学など、設備の整った環境で珍しい科目を学べる。日本語クラスがあれば、先生のアシスタントを通じて友達ができることも
- デメリット:バスケやサッカーなどのスポーツチームはトライアウト(選考)制。「カナダでバスケがやりたい!」と渡航しても、レベルが高くて入れないことがあります
小規模校のメリット
- トライアウトなしでチームに入れることがほとんどで、スポーツに挑戦しやすい
学校の大きさは好みの部分も大きいです。日本で小規模校に通っていた方は小さな学校に、大規模校に通っていた方は大きな学校に、それぞれ馴染みやすい傾向があります。
特に、日本で学校がしんどかったお子さんや、環境に左右されやすい繊細なお子さんには、先生の目が届きやすい小規模校が向いていることが多いです。あわせて、カナダには日本のような「不登校」という概念がないことを知っておくと、環境選びの判断がしやすくなります。
→ しんどさを抱えやすい子ほど「合う環境選び」が大切な理由はこちら
📋 どの学校が合っているか、一緒に考えます
地域・学校規模・日本人の数・予算など、お子さんの状況に合わせて、カナダ全州・112の教育区の中から最適な留学先をご提案します。相談は完全無料です。
無料カウンセリングを申し込む →④ 受講したいコース・スポーツで選ぶ
結論:やりたいことが明確なら、それを伸ばせるコースやアカデミーのある学校を選びましょう。
カナダの高校には、日本のような工業高校・商業高校といった区分がなく、地域の一つの高校が幅広いコースを提供しています。主要科目(英語・数学・理科・社会・体育など)に加えて、選択科目が非常に豊富です。私が全国の高校を視察する中で見つけた、珍しいコースの一例がこちらです。
- パイロット・航空学
- ロボット工学
- 考古学・古生物学
- CAD製図/3Dアート/デジタルアート
- 映像制作・TV制作
- 自然保護
- 美容・エステ・ネイル・ヘアスタイル
- リーダーシップ/起業家
- クッキング・お菓子作り・パン作り
- 観光ツーリズム
- 自動車整備/溶接/ウッドクラフト/大工
日本では高校卒業後の専門学校で学ぶような内容を、高校で受けられるのです。競争率が高い科目や高い英語力が必要なものもありますが、ぜひ興味のある科目がある高校を選んでください。
カナダの高校にある「アカデミー」とは
学校の中の専門コースのようなもので、特定分野に特化したプログラムです。アイスホッケー・サッカー・テニス・バレエ・機械工学・アニメーションなど、得意分野を伸ばしながら卒業単位も取得できます。何か一つ突出した得意があるお子さんには、アカデミーのある学校が有力な選択肢になります。
IBディプロマを希望される方へ
カナダの公立高校にもIBプログラムを提供する学校がありますが、非常に高い英語力と学力が求められます。公立は私立ほどのサポートが期待しにくいため、公立IBが最適かは慎重に判断が必要です。多くの教育区で、留学生がIBを受ける場合は10年生からの開始が条件になります。
⑤ 予算で選ぶ
結論:卒業まで考えるなら、費用は教育区で大きく変わります。中央部・東部の教育区は比較的安く抑えられます。
カナダ高校留学には、まとまった費用がかかります。1年間の体験留学でも、授業料・ホームステイ・保険を合わせて年間330〜450万円ほど。2年半〜3年の卒業留学なら、さらにかかります。
「1年だけなら少し高くても大丈夫」というご家庭もあれば、卒業まで考えるなら費用の安い教育区から良いところを探す、という考え方もあります。州を費用が高い順に並べると、おおよそ次のようになります。
- オンタリオ州(トロント・オタワ)
- ブリティッシュコロンビア州(バンクーバー・ビクトリア)
- アルバータ州(カルガリー・エドモントン)
- マニトバ州
- ニューブランズウィック州
- ノバスコシア州
これは各州の一般的な授業料に基づく目安で、同じオンタリオ州の中にも費用の安い学校はあります。授業料+ホームステイの年間相場は、オンタリオ州で約380万円弱、ブリティッシュコロンビア州で約340万円。一番安いノバスコシア州は年間250万円弱です。
💰 予算に合った留学先を、一緒に探します
「費用は抑えたいけれど、質は妥協したくない」——その両立は可能です。ご予算・目標・学年をお聞きした上で、最適なプランをご提案します。相談は無料です。
サポート費用 99,000円(大手の約6分の1)
選び方の軸が決まったら、実際にどの教育委員会があるかを見てみましょう。カナダの公立高校(教育委員会)一覧
次のステップ:何から始めればいい?
一番大切なのは、学校選びというステップそのものを大切にすることです。それをきっかけに、「自分はどんなカナダ高校留学をしたいのか」が明確になり、留学のビジョンが描けてきます。
もちろん現地では、期待以上のことも期待外れのこともあります。それでも、しっかりリサーチ・プラン・スケジュールができていれば、想定外は確実に減らせます。まずはご家族で、「どんな留学にしたいか」を話し合うことから始めてみてください。
よくある質問
Q. バンクーバーとウィニペグ、どちらが高校留学に向いていますか?
A. 英語力を最大化させたい・日本人が少ない環境を求めるならウィニペグ、都会の利便性や観光も楽しみたいならバンクーバーが向いています。費用はウィニペグが年間50〜80万円程度安くなります。
Q. 学校選びで一番大切なポイントは何ですか?
A. 「留学の目的」と「英語力」の2点です。英語力を最大化させたいなら日本人が少ない小規模都市、海外大学進学を目指すならIB対応の全寮制校、費用を抑えたいなら東部の教育区という順で絞り込むのが効率的です。
Q. 学校選びはいつから始めれば良いですか?
A. 入学希望の6〜12ヶ月前から始めることをお勧めします。カナダの留学生受け入れは申込順のため、希望の教育区・学校が満員になる前に動き始めることが重要です。特に人気の教育区は早期に埋まります。
Q. 自分に合った学校を一人で選べるか不安です。
A. 無料カウンセリングをご利用ください。英語力・目標・予算・性格をお聞きした上で、最適な都市と学校をご提案します。20年間で培った現地ネットワークから、公開されていない最新情報もお伝えできます。

