「カナダって、治安は本当に大丈夫なんでしょうか?」
お子さんのカナダ高校留学を考え始めた保護者の方から、いちばん多くいただく不安のひとつです。大切なお子さんを、親元から遠く離れた海外で生活させるのですから、心配されるのは当然のことです。
結論からお伝えします。カナダは、世界的に見ても治安の良い国です。 世界の安全な国ランキングでも、常に上位に位置しています。私自身、3人の子どもをカナダの学校に通わせています。カナダが安全な国でなければ、家族でここに移り住もうとは思いませんでした。
ただ、「だから何も心配いりません」とだけ言って終わるのは、正直ではありません。この記事では、現地に暮らす立場から、カナダの治安について本当のところを——気をつけるべき点も含めて——正直にお伝えします。
どの国にも、どの街にも「良いエリア」と「悪いエリア」がある
まず、大前提をお伝えします。
治安について考えるとき、「カナダは安全か危険か」という二択で考えるのは、あまり意味がありません。どの国にも、そしてどの街の中にも、治安の良いエリアと、避けた方が良いエリアがあります。 これは日本でも同じですよね。同じ街の中でも、「あの辺りは夜は歩かない方がいい」という場所があります。カナダも、まったく同じです。
大切なのは、国単位で「安全/危険」を語ることではなく、お子さんが実際に生活するエリアが安全かどうかです。
だからこそ、「エリア選び」が留学の安全を左右する
ここで、留学生の大きな強みがあります。
留学生が生活するホームステイ先や学校は、基本的に安全なエリアに位置しています。教育委員会やエージェントが、留学生を受け入れる以上、安全を考慮した上で手配しているからです。
私たちエージェントも、学校やエリアを選ぶとき、その地域の治安を当然のように考慮します。お子さんに合う学校を選ぶ——その「選ぶ」という行為の中に、すでに安全への配慮が含まれているのです。
だから、適切にエリアと学校を選んで送り出せば、お子さんが日常生活の中で「危ない」と感じる場面は、実際にはとても少ないと思います。これは20年間、多くの留学生を送り出してきての実感です。
「費用が安いエリアは、治安が心配では?」というご質問をいただくこともあります。費用とエリアの関係については、費用が安いカナダ留学先の選び方でも詳しく触れていますので、あわせてご覧ください。
お子さんに伝えてほしい、3つのこと
とはいえ、「エリアが安全だから何もしなくていい」わけではありません。海外で暮らす以上、お子さん自身に持っておいてほしい基本があります。渡航前に、ぜひ伝えてあげてください。
1. 住んでいる街の「行ってはいけないエリア」を把握する
どの街にも、地元の人が「あそこは行かない方がいい」と言うエリアがあります。まずは、自分が住む街の中に、そういう場所があることを把握すること。そして、そこには近づかない。 これだけで、リスクの大半は避けられます。ホストファミリーや学校のスタッフに「この街で、行かない方がいい場所はありますか?」と聞いておくと安心です。
2. 海外で暮らす、一般常識的な防衛知識を持つ
夜遅くに一人で出歩かない。知らない人にはついていかない。困ったことがあればすぐに相談する。——特別なことではありません。海外で暮らすうえでの、ごく一般的な防衛知識です。これさえ持っていれば、基本的には大丈夫です。
3. 困ったことは、すぐに相談する
何かあったとき、一人で抱え込まないこと。ホストファミリー、学校の先生、そして私たちエージェント。お子さんの周りには、相談できる大人がいます。「相談していいんだ」と知っているだけで、お子さんの心の負担はずいぶん軽くなります。
実は、いちばん気をつけてほしいのは「盗難」です
ここまで読んで、少し安心していただけたかもしれません。ただ、ひとつだけ、現地で本当に気をつけてほしいことがあります。
それは、**凶悪な犯罪よりも、ずっと身近な「盗難」**です。
正直に、私自身の話をします。
うちの息子が、カナダで自転車を盗まれました。誕生日に、私が買ってやった自転車です。買って、わずか2週間でした。ほんの少し目を離した隙に、なくなっていました。親としては、なかなかこたえる出来事でした。……今でこそ、家族の笑い話で、息子にとっては良い教訓になっていますが。
自転車だけではありません。カフェや学校で、カバンを置いたまま少し席を外したら、なくなっていた——そんな話も、何度か聞いたことがあります。
ここで知っておいてほしいのは、日本の感覚が通用しないということです。日本では、カフェで席に荷物を置いたまま注文に行ったり、少し席を外したりできますよね。カナダで、その感覚は通用しません。「ちょっとの間だから大丈夫」が、通用しないのです。
貴重品の管理だけは、しっかりと
カナダは治安の良い国ですが、油断した隙を狙われる盗難は、起こります。だからこそ、
- カフェや図書館で席を外すときは、貴重品を置いたままにしない
- 教室でも、荷物から目を離さない癖をつける
- 自転車には必ず鍵を。高価なものは特に注意
そして、心配な方には、AirTag(エアタグ)などの紛失防止タグをおすすめします。自転車やカバン、貴重品に付けておけば、万が一のときに位置を追える安心感があります。今は、こうした便利な道具があります。使えるものは、上手に使いましょう。
「置きっぱなしにしない」を、最初から癖にしておく。これは、治安が良い悪いに関わらず、海外で身につけておきたい習慣です。
まとめ:心配しすぎず、でも準備はしっかりと
カナダの治安について、正直にお伝えしてきました。最後に、整理します。
- カナダは、世界的に見ても治安の良い国
- ただし、どの街にも良いエリア・悪いエリアがある。だから「エリア選び」が大切
- 留学生は、安全を考慮して学校・エリアを選ぶので、日常で危険を感じる場面は少ない
- お子さんには「行かないエリアの把握」「一般的な防衛知識」「困ったら相談」を伝える
- 本当に気をつけるべきは、凶悪犯罪より「盗難」。貴重品管理を徹底し、心配ならAirTagも
留学の安全は、「カナダだから安心」でも「海外だから危険」でもありません。正しく知って、正しく備えれば、カナダでの留学生活は、とても安全に送れます。 心配しすぎず、でも準備はしっかりと。そのバランスが、いちばん大切だと私は思っています。
そして、お子さんに合った安全なエリア・学校を選ぶことは、私たちエージェントの仕事の一部です。安全なエリア選びを含めた学校・都市の選び方もあわせてご覧ください。「うちの子の場合、どのエリアが安心?」——そんなご相談も、いつでもお受けしています。
