留学プランニング

カナダの高校からオーストラリアの大学へ——ファウンデーション不要で直接出願できる「第3の出口」

水谷通孝

カナダ在住・カナダ高校留学エージェント歴20年(2006年創業)。2025年にカナダへ移住し、自身の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

こんにちは。キャタリストカナダの水谷です。

カナダ高校留学の3つの出口のうち、これまで日本の大学とカナダの大学への道をご紹介してきました。今日はその先にある選択肢——オーストラリアの大学です。実は、カナダの高校卒業資格は、オーストラリアでそのまま使えます。

結論 ― カナダの卒業証書は、豪州で「現地の高卒」と同等に扱われる

結論からお伝えします。BC州のDogwood、オンタリオ州のOSSD、アルバータ州の卒業資格は、いずれもオーストラリアの主要大学で「Year 12(豪州の高卒資格)と同等」として認められており、直接出願できます。留学生向けの準備課程(ファウンデーションコース)を挟む必要は、原則ありません。

メルボルン大学は認定する海外資格の一覧にカナダ3州の卒業資格を明記していますし、ANU・RMITなどはカナダの州ごとに入学基準ページを公開しています。制度としての受け皿は、しっかり整っているのです。

つまりカナダの高校で真面目に学んだお子さんは、日本・カナダ・オーストラリアの3カ国の大学に、同じ成績表で出願できるということです。

成績の目安——カナダの「%」がほぼそのまま通用する

オーストラリアの大学は、日本式の一発入試ではなく、高校の成績で合否を判定します。カナダの大学と同じ仕組みです。各大学が公表している目安(indicative)を見てみましょう(2026年8月調査時点・合格保証ではありません)。

大学(例)成績の目安(カナダの平均%)
メルボルン大学Arts系 78%/Science系 83%/Commerce 87%(ベスト5科目平均)
ANUOSSDベスト6科目平均77%でATAR80相当、83%で90相当
MonashArts系 78.5%/人気コース 81〜88%
RMIT概ね65〜80%(カナダの%がほぼそのまま対応)
Griffith標準入学 61%台〜上位コース 77%程度

ざっくり整理すると、平均80%前後あれば名門「Group of Eight」の文系に、85〜90%あればCommerceなどの人気コースに手が届き、70%前後でもRMITやGriffithなどに直接入学の道があります

注意点が一つ。商学部・理系は数学の履修が必須要件になっていることが多く、BC州ならPre-Calculus 12やCalculus 12、オンタリオ州ならMHF4U・MCV4Uが鍵になります。ここでもGrade 11・12の科目選択が出口を左右します。豪州も視野に入れるなら、科目設計の段階で組み込んでおきましょう。

英語テストは免除されることが多い——ただし例外に注意

英語要件の基準線はIELTS 6.5前後ですが、多くの大学に「英語圏の学校で英語で学んだ者への免除規定」があります。

  • RMIT:カナダ(ケベック州除く)を英語圏と認定。初等・中等あわせて6年以上(うち中等2年以上)英語で就学していれば免除
  • UNSW:英語圏の高卒資格を、大学開始前2年以内に取得していれば認定

カナダの現地校で2年以上学んだお子さんなら、IELTSを受けずに出願できる可能性が高い、ということです。ただし例外もあります。シドニー大学のように、国ベースの免除に市民権や長期居住の条件を付けている大学もあり、その場合は履修した資格ベースでの個別査定になります。免除の可否は大学ごとに違う——ここは出願前に一校ずつ確認します(私たちも一緒に確認します)。

暦の現実——主線は「翌年2月入学」

オーストラリアの学年は日本ともカナダとも違います。Semester 1が2月下旬〜3月開始、Semester 2が7月開始です。

カナダの6月卒業からの接続は、理論上は2通り。

  1. 7月入学(最速):卒業の約1ヶ月後。ただし最終成績証明の発行と学生ビザの処理が間に合うか、かなりタイトです
  2. 翌年2月入学(現実線):約8ヶ月のギャップ。米国の9月入学と比べても3ヶ月長い程度で、この期間をIELTS対策(必要な場合)・準備・日本での充電に充てられます

出願はローリング式(随時審査)が一般的で、たとえばメルボルン大学の2月入学は前年11月末が締切です。Grade 12の秋には出願を始める——このリズムは日本の英語学位プログラムや帰国生入試と同じです。

費用——正直にお伝えすると、安くはありません

ここは包み隠さずお伝えします。オーストラリアの留学生学費は、カナダの大学より高くなるケースが多いです。

  • 名門Group of Eightの学費:年間45,000〜60,000豪ドル(例:メルボルン大学Commerceは2026年で52,000〜59,000豪ドル)
  • 学生ビザの生活費基準:年間29,710豪ドル(2024年改定額・申請時に最新確認)
  • 学生ビザ申請料:2,500豪ドル〜(2026年7月改定)

合計すると、為替にもよりますが年間750〜900万円規模を見込む必要があります。カナダの地方大学やカレッジ編入ルートなら年間330〜460万円程度の実例もあるので、費用だけで比べればカナダ残留に分があります。RMITやGriffithなど学費が一段低い大学を選ぶ、という設計もあります。

それでも豪州を選ぶ理由があるとすれば、次の「出口の先」です。

在学中の就労と、卒業後の2年——「出口の先」の広がり

オーストラリアの学生ビザでは、学期中は2週間あたり48時間まで、休暇中は無制限にアルバイトができます。そして卒業後には、Temporary Graduate visa(485)で通常2年間、現地でフルタイム就労が可能です(学士卒の場合。申請時35歳以下などの条件あり)。

カナダのPost-Graduation Work Permitと並んで、「英語圏で学位を取り、そのまま働く経験まで積める」出口です。日本の大学にはない広がりであり、費用の高さをどう評価するかは、この出口の先まで含めて考える必要があります。

◆[社長の一次情報:カウンセリングで豪州進学が話題になった実例(完全匿名)。例:親族が豪州在住・気候や時差の近さで豪州を検討したご家庭、カナダと豪州で迷った際の判断軸など、実際の会話があればここに]

よくある質問

Q. カナダの高校からオーストラリアの大学に直接入学できますか? A. できます。Dogwood(BC州)・OSSD(オンタリオ州)・アルバータ州の卒業資格は、メルボルン大学をはじめ主要大学で豪州のYear 12と同等に扱われ、ファウンデーションコースなしで出願できます。

Q. 成績はどのくらい必要ですか? A. 目安として、平均80%前後で名門Group of Eightの文系、85〜90%で商学部などの人気コース、70%前後でもRMITやGriffithなどに道があります。商・理系は数学(Pre-Calculus 12/MCV4U等)の履修が必須になることが多い点に注意してください。

Q. IELTSは必要ですか? A. カナダの現地校で2年以上英語で学んでいれば、免除規定に該当する大学が多くあります。ただしシドニー大学のように条件が厳しい例外もあるため、大学ごとの確認が必須です。

Q. 6月に卒業して、いつ入学できますか? A. 最速は約1ヶ月後の7月入学ですが、成績証明とビザの処理がタイトです。現実的な主線は翌年2月入学(約8ヶ月後)で、出願はGrade 12の秋に始めるのが標準です。

おわりに ― 選択肢は「持っておく」だけで強い

オーストラリア進学は、全員にお勧めする道ではありません。費用はカナダ残留より高く、距離も遠くなります。それでも、同じ成績表で日本・カナダ・オーストラリアの3つに出願できるという事実は、Grade 12の進路検討を格段に自由にします。選択肢は、使わなくても、持っているだけで強いのです。

そのためには、Grade 11からの科目選択と成績づくりが土台になります。お子さんの成績・英語力・ご予算に合わせて、どの出口が現実的か——出発前から一緒に地図を描きましょう。

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この記事の情報について 入学基準・学費・ビザの数値は2026年8月に各大学公式サイトおよびオーストラリア政府公式サイト(Study Australia等)で確認したものです。基準・料金は毎年改訂されるため、出願時は必ず最新情報をご確認ください。この記事も毎年春に更新します。

参考(公式情報・2026年8月確認) メルボルン大学(認定海外資格一覧・カナダON/BC別入学目安・出願日程・学費)/ANU(カナダON/BC別入学基準)/UNSW(Direct Entry Table・英語要件)/Monash(2027年国際版コースガイド)/Griffith(国別学力基準表)/RMIT(カナダ国別基準・英語免除規定)/シドニー大学(英語要件)/オーストラリア政府 Study Australia(学生ビザ500・485ビザ・生活費基準・就労ルール)

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