興味&好きなことで選ぶ

West Vancouver Schoolsのベースボールアカデミー ― 3つの高校のどこからでも、9月から6月まで

水谷通孝

カナダ在住・カナダ高校留学エージェント歴20年(2006年創業)。2025年にカナダへ移住し、自身の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

カナダの野球アカデミーを調べていると、たいてい「アカデミーがあるのはどの学校か?」という話になります。

ウエストバンクーバー学区(SD45)は、そこが少し違います。

このアカデミーは、学区の3つの高校の、どこに在籍していても参加できます。West Vancouver Secondary、École Sentinel Secondary、Rockridge Secondary。3校の生徒がひとつのプログラムに合流する形です。

  • 9月から6月までの10か月。学年度を通して続きます
  • Grade 8から12までが対象
  • 授業は午前に学業、午後に隔日で野球
  • 指導陣にMLBでプレーした経験を持つコーチが複数います
  • 留学生も参加できます

先にお伝えすると、カナダの高校野球に甲子園のような全国大会はなく、州によって仕組みがまったく違います。全体像は野球で選ぶカナダ高校留学ガイドに、仕組みの解説はカナダの高校野球はどうなっている?にまとめました。

▶ 地域の全体像はメトロバンクーバーの学区案内BC州 高校留学の完全ガイドをご覧ください。

学校を選ばなくていい、という設計

BC州の他のアカデミーは、その学校に入ることが前提です。ケロウナのラトランド高校のように学区全域から集めるものもありますが、その場合も授業のある時間帯に別の学校まで移動する必要があります。

ウエストバンクーバーは、そもそも学校の中でやっていません。練習場所が学外にあり、3校の生徒がそこに集まる形になっています。

これが読者にとって何を意味するか。「野球のために学校を妥協する」必要がないということです。

3校は、それぞれ性格が違います。

学校特色
West Vancouver SecondaryIBディプロマ(1988年認定)。IB科目31
École Sentinel SecondaryAP科目21、フレンチ・イマージョン
Rockridge SecondaryIBワールドスクール(MYP)、AP科目15。3校で最も小規模

「IBで進学を狙いながら、野球も続けたい」——このご希望は、日本のご家庭から実際にいただきます。この学区なら、その組み合わせが成立します。学校を野球で決めなくていいからです。

なお優先枠はこの3校の在籍者にありますが、隣のノースバンクーバー学区の生徒も、空きがあれば登録できると案内されています。

いちばん大事な話 ― 練習場所は、隣の市です

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

練習場所は、ウエストバンクーバーにありません。

種別施設場所
屋内(通年)Inside Performanceノースバンクーバー
屋外(シーズン中)Parkgate Parkノースバンクーバー

そして学区は、留学生向けのページにこう書いています。

「アカデミーは、学校の外にあるさまざまな施設で行われます。学校から施設まではバスが出ます。ただし、練習が終わったあとの帰宅は生徒の責任です。

この一文が、このアカデミーを選べるかどうかを決めます。

行きは学校からバスに乗れます。問題は帰りです。平日の夕方、隣の市から、自分で帰ってくる。これを10か月間、隔日で続けることになります。ホームステイ先がどこに配置されるか。バスの便はどうか。日が暮れるのが早い冬場はどうするか。これは学校選びではなく、生活設計の話です。

ホストファミリーに毎回の迎えを期待することはできません。BC州の他の記事でも繰り返し書いてきたことですが、この学校では学校のプログラムそのものに、それが組み込まれています。

私たちがこの学校をご案内するときは、まず「どこにホームステイが決まるか」から確認します。費用や指導内容より先に、そこです。

教えているのは、どんな人たちか

指導陣は、この学区の大きな強みです。

ヘッドコーチ:Brooks McNiven氏(学区の教員) 1999年にトロント・ブルージェイズから指名を受けましたが、進学を選んでUBC(ブリティッシュコロンビア大学)へ。その後サンフランシスコ・ジャイアンツでプロとしてプレーしました。2008年北京五輪と2009年WBCのカナダ代表です。

アシスタントコーチにも、経歴のある方が並びます。

  • Rene Tosoni氏:2011年にミネソタ・ツインズでMLBデビュー。2015年パンアメリカン競技大会で金メダル(カナダ代表)、2017年WBCカナダ代表
  • Lachlan Fontaine氏:2013年にシアトル・マリナーズから指名。2012〜2013年カナダ・ジュニア代表
  • Ivan Hartle氏:2008年IBAF世界ジュニア選手権のカナダ代表。米国の大学で理学士と教育学修士

MLBでプレーした経験を持つ人が、複数いる。これはBC州のアカデミーの中でも厚い体制です。

※コーチ陣は年によって入れ替わります。最新の顔ぶれは、お申し込みの前に確認してご案内します。

屋外の練習場は、州最高峰クラブの本拠地

屋外練習で使うParkgate Parkについて、学区はこう説明しています。

「フルサイズの野球場が2面、隣り合って配置されている、ロワーメインランドで唯一の公園」

そしてこの球場は、BC州最高峰リーグ(BCPBL)のNorth Shore Twinsの本拠地でもあります。シーズン約90試合を戦うクラブです。

ただし、正直に線を引きます。「アカデミーに入ればTwinsでプレーできる」ということではありません。クラブへの加入は別の手続きと選考です。同じ球場を使っているという事実と、入れるかどうかは別の話です。

費用について

アカデミー費

学区のサイトには、月$425 × 10か月(9月〜6月)= 年$4,250と記載されています。

ただし、このページには年度の表記がありません。数年前の学区資料には月$525(年$5,250)という記載もあり、どちらが現在の金額なのか、公開情報だけでは判断できませんでした。サイトにも「費用は理事会の承認により変更されることがあります」と注記があります。

現在、学区に確認しています。確定した金額でご案内しますので、この数字で予算を組む前に、一度ご相談ください。

留学そのものの費用

この学区は、2026-27年度と2027-28年度の料金表をまだ公開していません。サイトにあるのは2025-26年度までです。

参考として、2025-26年度の内訳を挙げます。

項目金額
出願料$300
プログラム費(授業料)$17,250
医療保険$750
ホームステイ手配料$200
ホームステイ(月額)$1,400

ホームステイを10か月とすると、合計はおよそ$32,500。これにアカデミー費が加わります。

ただしこれは2025-26年度の数字です。前の年度からは約$950(約5.8%)上がっています。2027年9月の入学を検討されているなら、実際の金額はこれより上がる可能性が高いとお考えください。確定した金額は、学区に確認してご案内します。

通年であることの意味

BC州のアカデミーには、9月から1月までの半期型と、学年度を通した通年型があります。ウエストバンクーバーは後者です。

9月から6月まで、隔日の午後。春も夏の手前まで、学校のプログラムとして野球が続きます。

一方、ノースショアの地域クラブ(North Shore Baseball Association)のサマーシーズンは、6月末から8月初め。つまりアカデミーが終わってから、クラブの季節が来ます。

時期何をするか
9月〜6月学校のアカデミーで、隔日
6月末〜8月初め地域クラブのサマーシーズン

1年のほとんどが、野球で埋まる形になります。

地域クラブの登録費は、18U AAで$325、15U Aで$300ほど(2026年サマーシーズン)。この団体はノースバンクーバーとウエストバンクーバーの両方を区域にしています。ただし、ここも正直に。学校の外のクラブは、私たち留学エージェントと教育委員会のサポート範囲の外です。加入の手続き、費用、保険、送迎。すべてご家庭の責任になります。

どんな子に向くか

向くのは、こういうお子さんです。

  • 学業と野球の両方を落としたくない。IBやAPのある学校に通いながら、野球を続けられます
  • 1年を通して野球のある生活を送りたい。半期型ではなく通年です
  • 自分で移動できる。隣の市からの帰宅を、自分で組み立てられる

向かないお子さんも、はっきりしています。

  • 移動の負担を避けたい子。練習場所は学校ではありません
  • 費用を抑えたい子。BC州のアカデミーの中では高い部類に入ります
  • ホームステイの場所によっては、そもそも通いきれない場合があります

他の選択肢と比べると

移動の負担を減らしたいなら 学校の中で完結する形もあります。バンクーバー島のBelmont高校(年$770・通年・初心者歓迎)は、校内で野球のある生活が完結します。

費用を抑えたいなら 西ケロウナのMount Boucherie高校(年$250・申し込み不要・4単位)なら、通常のコース選択で野球が取れます。

半年に集中したいなら アボッツフォードのYale高校($3,000・時間割の半分が野球)や、ケロウナのラトランド高校($1,200・定員26名)は、9月から1月に集中する形です。

クラブでの試合シーズンから逆算したいなら Lambrick Park高校(年$1,776・四季通年)は、クラブのシーズンを軸に1年が組まれています。

とにかく時間を投じたいなら Langley Secondary(毎日159分・8単位・年$2,000)が、BC州で最も時間を投じる形です。

送迎の心配をせずに、試合をたくさんしたいなら BC州にいる限り、試合はクラブです。アルバータ州の全寮制Vauxhall Academy of Baseball(シーズン75試合以上)なら、練習も試合も寮生活も同じ場所で完結します。

よくある質問

Q. 留学生でも参加できますか? A. はい。学区の留学生向けページに「当学区のどの中等学校にも通うことができ、どのアカデミープログラムにも参加できます」と明記されています。BC州の野球アカデミーの中では、いちばんはっきりした受け入れの記述です。

Q. どの高校に入ればいいですか? A. 3校のどこでも参加できます。だから学校は、野球以外の基準で選べます。IBを取りたいならWest Vancouver Secondary、APやフレンチ・イマージョンならSentinel、小規模な環境ならRockridge。「野球のために学校を妥協する」必要がないのが、この学区の良いところです。

Q. 費用はいくらですか? A. 学区のサイトには年$4,250(月$425×10か月)と記載されていますが、年度の表記がなく、数年前の資料には月$525という記載もあります。現在学区に確認していますので、確定した金額でご案内します。留学そのものの費用は、2025-26年度で合計およそ$32,500(ホームステイ10か月込み)。2027年度の金額はまだ公表されていません。

Q. 練習はどこで、いつありますか? A. 場所は隣のノースバンクーバーにある屋内施設と球場です。午前が学業、午後に隔日で野球という形。具体的な曜日と時間は、学区に確認してご案内します。

Q. 帰りはどうやって帰るのですか? A. ここが最大の検討事項です。学校から施設へのバスは学区が出しますが、帰宅は生徒本人の責任と公式に明記されています。ホームステイ先の場所とバスの便によって、通いきれるかどうかが変わります。私たちは、この確認から始めます。

Q. Grade 8でも参加できますか? A. 対象はGrade 8〜12と案内されています。BC州の野球アカデミーは9年生からのところが多いので、8年生から始められるのは選択肢のひとつです。ただし留学生が何年生から参加できるかは、確認してご案内します。

Q. 単位は出ますか? A. 数年前の学区資料には、体育やフィットネスなど複数の科目が挙げられていました。ただし現在のページには単位についての記載がありません。確認してからお答えします。

Q. 女子も参加できますか? A. 数年前の資料には「主に男子向けだが、女子の応募も歓迎」とありました。現在の方針は確認してご案内します。

おわりに ― 選べるのは、学校ではなく生活のほう

このアカデミーの特徴を一言でいうと、「学校を選ばなくていい」ことです。

IBでも、APでも、フレンチ・イマージョンでも。3校のどこに入っても、同じプログラムで野球ができる。進学と競技を天秤にかける必要がありません。しかも指導陣にはMLBでプレーした人が複数いて、9月から6月まで続きます。

そのかわり、生活のほうを設計する必要があります。

練習場所は隣の市。行きのバスは出ても、帰りは自分で。10か月、隔日で。冬の夕方も含めて。

これは、どちらが良い悪いという話ではありません。この学区は「学校の縛り」を外したかわりに、「移動」という条件を家庭に渡している、というだけのことです。その条件を引き受けられるかどうかが、この学校を選べるかどうかになります。

留学プランで大切なのは、パンフレット(学校情報)からのスタートではなく、プロフィール(留学生の詳細)からのスタートです。留学を希望されるお子さんについて詳しくお話をうかがい、野球とそれ以外の部分のバランスを取りながら、ベストの選択をお手伝いします。カウンセリングの申し込みと同時にお子さんのプロフィールシートもぜひ、ご登録ください。

「進学も野球も、どちらも諦めたくない」——そのお話をお聞かせください。まずはホームステイの配置と帰宅の手段から、一緒に確認します。

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参考(公式情報/2026年9月確認) ※費用・受け入れ条件は年度で変わります。最終判断の前に、必ず最新の公式情報をご確認ください。私たちがお手伝いします。

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