留学相談事例

16歳が「学ぶ科目」で留学先を選ぶ前に、親が知っておきたいこと

水谷通孝

カナダ・ウィニペグ在住。カナダ高校留学エージェントとして20年以上の実績を持ち、自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

「カナダの高校で、ツーリズム(観光)を学べる学校を探してほしいんです」

ある親御さんから、こんなご相談をいただきました。お子さんは旅行が大好きで、将来は観光業で働きたい。だから、留学先もツーリズムが学べる学校がいい、というご希望でした。

10代のお子さんが「これを学びたい」と自分の言葉で希望を伝える。これはとても素敵なことです。親としても、その希望をできるだけ叶えてあげたいと思うのは当然です。

今日は、このご相談に私がどうお答えしたか、その判断の中身を正直にお話しします。同じように「うちの子はやりたいことが決まっているけれど、どう留学先を選べばいいんだろう」と悩んでいる親御さんの、何かのヒントになればと思います。

最初に見つけた「答え」

ご相談を受けて、私はまずリサーチをしました。カナダの高校で、ツーリズムやホスピタリティ(観光・接客)に関連する科目を提供している学校は、実際にあります。探せば、見つかります。

ですが、リサーチを進めながら、私の中に一つの疑問が浮かびました。

私が立ち止まった理由

16歳、17歳の留学生が、カナダで「ツーリズムという科目」を学ぶために学校を決めることが、本当に正解なのだろうか。

これは、ご家族のご希望を否定する気持ちからではありません。むしろ逆です。このお子さんの「旅行が好き」「観光業で働きたい」という気持ちを、もっと活かせる方法があるのではないか、と考えたのです。

高校で履修する一科目としてのツーリズムは、教室の中で観光業の基礎を学ぶものです。それ自体に価値はあります。でも、好奇心の塊である10代の子にとって、本当に心が動くのは、教科書のページよりも、実際にその土地に立ったときではないか。私はそう思いました。

将来観光業で働きたい子に必要なのは、「観光を座学で学んだ経験」よりも、「自分の足で多くの土地を訪れ、心を動かされた経験」のほうではないか、と。

だから、私はこう勧めました

私がお勧めしたのは、ツーリズムの科目がある学校ではなく、オンタリオ州東部(イースタンオンタリオ)、アッパーカナダ教育委員会(UCDSB)の留学プログラムでした。

理由は、その「立地」にあります。

この教育委員会のエリアは、カナダ屈指の観光地に囲まれています。少し足を伸ばせば、モントリオール、首都オタワ、歴史の街キングストン、大都市トロント、そして世界的な観光地ナイアガラの滝へ行ける可能性が高い。さらにこの教育委員会は、留学生向けに年に一度、ニューヨーク旅行まで企画しています。

それだけではありません。エリアを流れるセントローレンス川沿いではクルージングが楽しめ、メリックビルのような小さな町でさえ、観光が一つの産業として成立し、地元の経済を支えています。「観光業とは何か」を、教室ではなく、生活の中で、肌で感じられる環境がそこにありました。

教室で観光業を学ぶよりも、実際にカナダの観光地へ何度も足を運べる機会。10代の留学生にとっては、こちらのほうがはるかに価値が高い。私はそう判断しました。

結果

このお子さんは、アッパーカナダの高校に留学しました。

「ツーリズムが学べる学校」という最初のご希望とは、形が変わりました。でも、「旅行が好きで、観光業に興味がある」という、その子の心の真ん中にある気持ちには、より深く応えられたのではないかと思っています。

※参考までに、このときお勧めした教育委員会の詳細はこちらでご紹介しています。 👉 アッパーカナダ教育委員会(UCDSB)留学プログラムの詳細はこちら (※どのお子さんにも最適という意味ではありません。お子さんの興味や性格によって、合う環境は一人ひとり違います)

この事例から、親御さんにお伝えしたいこと

お子さんが「これを学びたい」と希望を伝えてくれたとき、その言葉どおりの科目を探すことが、いつも最善とは限りません。

10代の「やりたいこと」は、まだ言葉になりきっていない、もっと大きな興味の入り口であることが多いのです。「ツーリズムを学びたい」の奥には、「いろんな土地を見てみたい」「人と関わる仕事に憧れる」という、もっと広い気持ちが隠れています。

その気持ちを、「科目名」で固定するのではなく、「環境」に翻訳してあげる。 これは、人生経験のある大人だからこそできる仕事です。子どもが伝えてくれた希望を、大人の経験で、より良いプランに育てる。私は、ここにエージェントという仕事の価値の一つがあると思っています。

この「子どもの”やりたい”を、言葉どおりに受け取らない」という考え方については、10代の「やりたい」を、言葉どおりに受け取らない でもう少し詳しくお話ししています。

もちろん、「環境で選ぶのが常に正解」というわけでもありません。本当に専門的に学びたいことが固まっている子には、その科目に強い学校が合うこともあります。大切なのは、その子の希望の”本当の中身”を、丁寧に聞き取ることです。

カナダ高校留学のご相談はお気軽に

私たちは、特定の学校に送り込むことを目的にはしていません。お子さんが「やりたい」と言っていることの奥にある気持ちを一緒に整理して、その子にいちばん合った留学の形を考えるお手伝いをしています。

「うちの子はこんなことに興味があるんですが、どんな留学先が合いますか?」

そんな漠然としたご相談からで、まったく問題ありません。まずは情報を整えるところから、一緒に始めてみませんか。

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カナダ・ウィニペグ在住。カナダ高校留学エージェントとして20年以上の実績を持ち、自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

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