カナダ高校留学を控えたご家庭に、申し込みの前にこそ知っておいてほしいことがあります。
それは、留学が始まったあと、「旅行」と「到着日」をめぐって、毎年いくつかのご家庭が、知らなかったばかりにトラブルに巻き込まれるという事実です。
これは、ルールを守らない人が悪い、という話ではありません。そもそも、そのルールがなぜあるのかを、誰も最初に教えてくれないことが原因です。今日は、その「そもそも」を、正直にお話しします。仕組みが分かれば、避けられるトラブルです。
まず知ってほしい「後見人(カストディアン)」という存在
カナダで未成年(多くの州で19歳未満)が留学する場合、法律上、**後見人(カストディアン)**を立てることが義務づけられています。
ここが、多くのご家庭が見落とすポイントです。後見人とは、カナダにいる間、親御さんに代わって留学生の法的な責任を負う人のことです。通常は、留学プログラムの責任者がこの役割を担います。
注意してほしいのは、後見人は、学校の教室で生徒をサポートしてくれる先生やスタッフとは別の人だということ。日々接するのはホストファミリーや学校の先生なので、留学生本人は「後見人」という存在をほとんど意識しません。だから、つい「ホストファミリーがOKと言えば大丈夫」と思い込んでしまうのです。
ここに、トラブルの入り口があります。
トラブル①:留学生だけ、または保護者が、勝手に旅行を企画してしまう
留学生活に慣れてくると、「友達と旅行に行きたい」「週末に少し遠出したい」という話が出てきます。とても自然なことです。
でも、ここははっきりお伝えします。
未成年の留学生だけ、あるいは未成年の友達同士だけで、外泊を伴う旅行に行くことはできません。 行きたい気持ちはわかりますが、これはできません。
そして、見落とされがちなのがこちらです。ホストファミリーと一緒の旅行であっても、後見人(および教育委員会)の承認が必要です。 そのためには、私たちエージェントへの事前連絡も必須になります。
「ホストファミリーが連れて行ってくれるんだから、いいでしょう?」と思われるかもしれません。実は、ホストファミリー自身がこのルールを分かっていないこともあります。 善意で「週末に家族旅行に連れて行ってあげよう」と計画してくれる。でも、後見人の承認がなければ、それは認められません。
なぜなら、後見人は留学生の安全に法的な責任を負っているからです。誰が、どこへ、いつ連れて行くのか。万一のとき、保険は有効か。それを把握し、承認する権限と責任が、後見人にあります。承認のないまま旅行に出てしまうと、何かあったときに誰も責任を取れない、という事態になりかねません。(後見人が承認していない旅行は医療保険の適用外になることもあります)
後見人の方針が厳しい場合、承認のない旅行は、キャンセルしていただくことになります。 楽しみにしていた計画が直前で中止になる——これは、お子さんにとっても、ご家族にとっても、つらいことです。だからこそ、最初に知っておいてほしいのです。
トラブル②:到着日を、ご家庭で勝手に決めてしまう
もう一つ、毎年のように起きるのが、到着日(カナダに着く日)をご家庭で勝手に決めてしまうケースです。
「せっかくだから少し早めにカナダに行って、数日ホテルに泊まって、観光でもしながらホームステイの開始日を待とう」——気持ちはとてもよく分かります。でも、これはできません。
理由は2つあります。
ひとつ、到着日は、基本的に教育委員会・学校側が決めます。 ご家庭の都合で自由に選べるものではありません。
ふたつ、そもそも未成年の留学生は、一人でホテルにチェックインすることができません。 早く着いても、泊まる場所がないのです。
そして、これが最も大事な点です。留学生のカナダ到着日は、「後見人の責任が始まる日」であり、「医療保険が有効になる日」です。
つまり、決められた到着日より前にカナダに着いてしまうと、誰も法的な責任を負っていない、保険も効いていないという、最も危険な空白の時間が生まれてしまいます。もしその間に体調を崩したり、事故にあったりしたら——考えるだけでも、ぞっとします。
到着日が学校側で決められているのは、お子さんを縛るためではありません。到着した瞬間から、責任ある大人が見守り、保険が守ってくれる状態にするためなのです。
なぜ、これを申し込み前のあなたに伝えるのか
これらは、留学が始まってから「実はダメなんです」とお伝えすると、すでに計画が動いていて、ご家族をがっかりさせてしまうことばかりです。
私たちは、トラブルが起きてから対応するより、最初に正直にお伝えして、避けられるものは避けていただきたいと考えています。ルールを押し付けたいのではありません。仕組みを知っていただければ、お子さんの留学は、もっと安全で、もっと安心なものになります。
旅行に行けないわけでも、楽しめないわけでもありません。正しい手順を踏めば、後見人の承認のもとで、ホストファミリーとの旅行も楽しめます。 大切なのは「事前に、私たちに相談する」という一手間だけです。
「こんな旅行は大丈夫?」「到着日はいつになりそう?」——どんな小さなことでも、迷ったらまず私たちに聞いてください。それが、お子さんとご家族を守る、いちばん確実な方法です。
カナダ高校留学のご相談はお気軽に
留学の制度やルールは、知らないと損をすることが本当に多い分野です。私たちは、こうした「誰も教えてくれないけれど、知っておくべきこと」も含めて、留学前から正直にお伝えしています。

