カナダ高校

カナダの高校にはどんな授業があるの?

水谷通孝

カナダ・ウィニペグ在住。カナダ高校留学エージェントとして20年以上の実績を持ち、自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

カナダの高校と日本の違いの1つに、カナダの高校には、「たくさんの選択科目」があります。受験の無い国・カナダでは、小学校から高校までの教育に受験勉強がありません。もちろん、日本同様に主要科目、アカデミックと呼ばれる科目(英語、数学、理科、社会)があり、大学で学ぶための勉強もあります。そうです、大学に入るための勉強ではなく、大学で学ぶための準備の教育と言えます。今日は、これからカナダでの高校留学を検討されているあなたに、カナダの高校で受講できる科目をイメージしてもらえるような情報をお届けしたいと思います。まずは「カナダの高校でどんな科目が学べるのか」を、動画でざっとご紹介します。

ショート動画でご紹介しています!

カナダの高校が日本と大きく違うのは、「選択科目の幅広さ」です。カナダには高校受験も大学受験もありません。だから教育は「大学に入るための勉強」ではなく、社会に出て活躍するために、今、興味のあることを学ぶことに向けられています。

主要科目(英語・数学・理科・社会)に加えて、料理・自動車整備・ロボット工学・ダンス・ファッション・美容・建築・音楽・演劇……日本では高校卒業後の専門学校で学ぶような分野を、高校生のうちから受講できます。そして、これらの科目は留学生でも受講可能です。「自分に本当に合っているか」を10代のうちに試せる——これはカナダ高校留学ならではの、大きな価値です。

百聞は一見にしかず。実際の授業がどんな雰囲気なのか、ショート動画でご紹介します。気になる科目の画像をタップしてみてください。

これらの動画の多くは、代表・水谷が実際に視察した学校で撮影・取材したものです。

カナダの高校は「学科」で分かれていない

日本の高校には普通科・工業科・商業科・家政科といった「学科」の区切りがありますが、カナダの公立高校にはこうした区切りがありません。1つの総合高校の中に、あらゆる分野の科目が揃っています。数えると、50〜60科目以上を開講している学校も珍しくありません。

英語・数学・理科・社会といった主要科目(アカデミック)に加えて、本当に幅広い分野の選択科目(エレクティブ)が用意されています。そして大切な点として、留学生だから受講できない科目はありません。 どの科目も留学生が受講でき、単位として認められます。

学校の規模で、開講科目の数は変わる

同じ公立高校でも、規模によって開講科目数は変わります。大きな学校ほど開講科目が多く、専門的でユニークな科目も揃いやすい。一方、小さな学校では主要科目とアート・スポーツなどはあっても、込み入った専門科目は少なめ、という傾向があります。

だからこそ、学校選びの段階で「自分のやりたいこと・興味のある科目があるか」を基準に見ていくことが大切です。

実際に視察して見てきた科目の例(セントラルオカナガン教育委員会)

私は日本人エージェントの中でも、実際にカナダの高校を視察している数はかなり多いと自負しています。ここでは、2024年4月に視察したブリティッシュコロンビア州のセントラルオカナガン教育委員会を例に、どんな科目があるのかをご紹介します。バンクーバーから飛行機で約1時間、ケロウナという街にある教育委員会です。

マウント・ブーシャリー高校

マウント・ブーシャリー高校は、留学生向けのESL(英語サポート)クラスもある大規模校です。開講科目を見ると、こんなにたくさんの選択肢があります。

  • 主要科目(アカデミック):英語(クリエイティブ・ライティング、英文学、ESL など)/数学/理科/社会(地理・歴史)/言語(フランス語・スペイン語・日本語 など)
  • 選択科目(エレクティブ):ビジネス(起業=アントレプレナーシップ、マーケティング)/コンピューターサイエンス(プログラミング)/コンサートバンド/製図・デザイン/家庭科/金属加工(アクセサリー制作など)/アウトドア教育/木工/ビジュアルアート/メディアアート(写真・動画編集)/ビデオ制作
  • 特別プログラム:ダンス・パフォーマンス/消防士育成(ファイアファイティング・アカデミー)/ジャズ・スタディ/演劇(シアター・カンパニー)
  • スポーツ(単位取得可):アメリカンフットボール/野球アカデミー/バスケットボール/ゴルフ/フィールドホッケー/アイスホッケー/マウンテンバイク/ラグビー/サッカーアカデミー など

これらはすべて単位として認められます。

ラトランド高校の「調理(Culinary Arts)」プログラム

ラトランド高校で特に面白かったのが、シェフを目指す調理プログラムです。商業用の本格的なキッチンを備え、レストランやホテルの厨房と同じ環境で、調理器具や機材の使い方、調理、ベーキングまでを学びます。

さらに驚いたのは、その仕組みです。午前のクラスの生徒が調理したものが校内のカフェテリアで実際に販売され、そのカフェテリアで働くのも調理プログラムの生徒たち。午後のクラスは翌日の仕込みをする——つまり毎日が実地研修のようになっていて、それがそのまま単位になります。将来シェフやレストランの仕事を目指す人が、それを英語で学べる。なかなかできない経験です。

釣りで単位が取れる学校も(キャンベルリバー)

キャンベルリバーのカイハイ高校(Carihi)には、フライフィッシング・アカデミーがあります。釣りを通じて学びながら、英語と理科(サイエンス)の単位がきちんと取れる。釣りが好きな子にとっては最高の科目かもしれません。

「自分のやりたいこと」で選ぶと、留学が変わる

視察に行くと、現地の担当者が在校中の日本人留学生を紹介してくれることがあります。一緒に校内を回りながら話を聞くと——「自分の学校に車の整備や木工・鉄工・溶接を学べる教室があるなんて知らなかった」「校内に幼稚園の先生になるための教室があって、地元の園児が来ていて、その子たちのお世話をするクラスがある」——そんな施設や科目の存在を、通っていながら知らなかったという子が少なくありません。

せっかくカナダに来て、しかも自分の学校にあるのに使わないのは、もったいない。

興味のあること——スポーツでも音楽でもダンスでも、魚釣りでも、化石でも、パイロットでも——を追いかけると、現地で同じことに興味を持つ友だちと自然につながれます。共通点があると、友だちは作りやすい。逆に手がかりが何もないと、なかなか難しいものです。

「自分は無趣味で…」という人も大丈夫。みんなまだ若く、今から何かを始めるのに遅すぎることなんてありません(大人の私でさえ、まだ新しいことを始めたいと思っているくらいです)。カナダに行ったらギターを始めてみる、フィールドホッケーをやってみる、ホームステイ先の同年代の子と一緒に何かに挑戦してみる——そうやって「自分はこれが好きだったんだ」と気づけたら、留学はもっと面白くなります。

そして何より、どんな科目を学ぶかを自分で選び、自分で決めてほしいと思います。留学の手続きは保護者の方とやり取りすることが多いですが、留学するのはご本人で、自分の人生です。「自分で選んだから、しっかりやるぞ」という気持ちが、いい留学につながります。

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