こんにちは。キャタリストカナダの水谷です。
ハルトン公立教育区(Halton District School Board/HDSB)は、トロントの西どなり、オークビル・バーリントン・ミルトン・ハルトンヒルズの4つの街を管轄する教育委員会です。トロント・ピアソン国際空港から車で30〜50分。大都市の便利さは届く距離にありながら、暮らしは郊外の落ち着いた住宅街、という場所です。

このページでは、公式サイトに書かれている規定を保護者向けに翻訳し、私が実際に現地を歩いて見たものを添えて、出願前に知っておくべきことを整理します。特定の学校をおすすめするためのページではありません。ハルトンがお子さんに合うかどうかを、ご自身で判断できる材料を並べます。
▶ 州全体の地域・費用の見取り図はオンタリオ州 高校留学の完全ガイドをご覧ください。
ハルトンはどんな地域か|「トロントに行ける郊外」で暮らす
ハルトンは、トロントの喧騒からは離れつつ、トロントへ電車で通える距離にある郊外です。大都市そのものではないので日本人が集中する場所ではなく、かといって不便な田舎でもない。その中間の選択肢だと考えてください。
4つの街には、それぞれ性格があります。
| 街 | 人口の目安 | 雰囲気 |
|---|---|---|
| オークビル | 約21万人 | オンタリオ湖岸の落ち着いた住宅地。ハルトンの留学生受入校が最も多い |
| バーリントン | 約19万人 | 湖とナイアガラ断崖に挟まれた街。ハミルトン寄り |
| ミルトン | 約13万人 | カナダで最も急成長した街のひとつ。新しい住宅と新しい学校が多い |
| ハルトンヒルズ | 約6万人 | ジョージタウン・アクトンなど。最も田園に近い |
私は、よほど英語力があるか、現地にご家族・知人がいる場合を除いて、トロント市内よりも少し郊外の教育委員会をおすすめすることが多いです。トロント教育委員会は組織が非常に大きく、留学生一人ひとりに目が届きにくい。ハルトンくらいの規模のほうが、担当者と話が通じやすいというのが実感です。
ハルトンの高校を視察して見たもの【現地レポート】
結論から言うと、ハルトンの高校は「校舎が大きく、実習設備が本格的」です。日本の高校のイメージで想像すると、規模感を見誤ります。
オークビルの Iroquois Ridge High School を訪問したときのことです。玄関を入ると、天井の高いアトリウムに街灯と樹木が並び、校舎の中に「通り」があるような造りになっていました。両側にカフェテーブルが置かれ、生徒が座って話している。廊下ではなく、広場です。
そこから校内を回ると、こういう部屋が並んでいました。
- 本格的な劇場(客席と舞台のある独立したホール。体育館兼用ではありません)
- 自動車整備の実習室(リフトに実車が上がっていて、工具が壁一面に並んでいる)
- 木工・ものづくりの工房(工業用の集塵ダクトが天井を走る本格的な設備)
- ロボティクスの部屋(競技用ロボットが何台も、パーツのラックとともに並ぶ)
- 家庭科の実習室(複数のキッチンユニットと洗濯機・乾燥機)
- 大きなカフェテリア、図書館、屋外のトラックとグラウンド















カナダの高校は「勉強する教室」だけでできていません。手を動かす科目に、大人の職場と同じ設備を用意している。 これは、日本の学校と最も違うところのひとつだと思います。英語がまだ不安なお子さんでも、こうした実技の授業では言葉より先に手が動く。そこから会話が生まれることが、実際にあります。
ハルトン留学が向くお子さん・慎重に考えたいケース
結論:「都市に近い環境がいいけれど、大都市の中に埋もれたくない」お子さんに向きます。 逆に、行ってみてから学校を選び直したいと考えている場合には、この教育委員会は向きません。転校ができないからです。
向いているお子さん
- 都市の便利さは欲しいが、日本人の多い環境は避けたい
- 実技・ものづくり・演劇・ロボティクスなど、手を動かす分野に興味がある
- 大学進学を視野に入れ、AP や IB を検討している
- ある程度の英語力があり、現地の授業に食らいついていける
- 3年以上かけて卒業を目指している(=同じ学校に通い続ける前提と合う)
留学生を受け入れている高校(標準の配属校7校)
結論:ハルトン公立教育区で留学生が通常配属されるのは、以下の7校です。 ここに挙げていない高校でも、IB・AP・I-STEMといった特別プログラムには別途出願できる場合があります。ただし、いずれも「この学校に入れます」という約束ではありません。教育委員会が1校あたりの留学生数を制限しているためです。
| 学校名 | 街 | 規模の目安 | 特色 |
|---|---|---|---|
| Burlington Central School | バーリントン | 約900人 | IBディプロマ、フレンチイマージョン、SHSM(芸術・建設・製造) |
| Craig Kielburger Secondary School | ミルトン | 約1,800人 | IBディプロマ、SHSM(運輸・環境・ホスピタリティ・ICT等) |
| Elsie MacGill Secondary School | ミルトン | 2022年開校の新設校 | I-STEM(理数工学の専門コース/Grade 9-10) |
| Garth Webb Secondary School | オークビル | 2012年開校 | SHSM(エネルギー・環境)。スクールバスがなく徒歩通学圏の学校 |
| Iroquois Ridge High School | オークビル | 約1,600人 | AP(Grade 12)、フレンチイマージョン、SHSM(アート&ビジネス)。隣接する市営レク施設にプール。当社視察済み |
| Thomas A. Blakelock High School | オークビル | 約1,200人 | I-STEM、フレンチイマージョン、SHSM(医療技術・舞台芸術・製造・IT) |
| White Oaks Secondary School | オークビル | 約2,300人(2キャンパス) | IBディプロマ、SHSM多数、OYAP。課外クラブ150超、プールあり |
出典:HDSB「High School Profiles」(2026年9月確認)。生徒数は年度により変動します。
IB・AP・I-STEM は別枠の出願が必要です。 IBは Burlington Central・Craig Kielburger・Georgetown District、APは Abbey Park・Iroquois Ridge(Grade 12のAP試験)・Oakville Trafalgar、I-STEMは Aldershot・Elsie MacGill・Thomas A. Blakelock で提供されています。いずれも選考があり、留学生の受け入れ枠も別に判断されます。
なお SHSM(Specialist High Skills Major) は、オンタリオ州の高校が持つ分野特化のプログラムです。医療、IT、建設、ホスピタリティなどの領域で、通常の単位に加えて業界認定資格や現場実習を組み合わせて履修できます。「留学中に、将来の方向を少し試してみたい」というお子さんとは相性が良い仕組みです。
写真で見る ハルトンの高校
文字だけではイメージしにくいので、ハルトンの高校の様子を写真でご紹介します。留学生の標準配属校と、そうでない学校が混ざっていますので、各校の見出しにその区別を書き添えました。
Burlington Central School(バーリントン/留学生の配属校)
バーリントン市中心部にある、IBディプロマとフレンチイマージョンを持つ学校です。
Craig Kielburger Secondary School(ミルトン/留学生の配属校)
School(ミルトン/留学生の配属校)
生徒約1,800人。ハルトンの受入校のなかでは最大規模で、SHSMの分野も豊富です。
Georgetown District High School(ハルトンヒルズ/IBのみ別出願)
この学校は留学生の標準配属校ではありません。IBディプロマのプログラムに限って、別枠で出願できる学校です。
Dr. Frank Hayden Secondary School(バーリントン/参考)
この学校も留学生の標準配属校ではありません。地域のレクリエーション施設と一体になった新しい校舎で、ハルトンの学校の雰囲気が伝わる一例としてご紹介しています。
ハルトン公立教育区のデータ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 教育委員会全体の生徒数 | 約67,000人 |
| 教育委員会内の学校数 | 107校(小学校90/高校18 ※内訳は年度により変動) |
| 留学生を受け入れる高校 | 標準配属7校(+特別プログラムは別出願) |
| 留学生の数 | 約380人 |
| 受入学年 | Grade 1〜12(ただしGrade 8以下は保護者の同伴が必須。単身留学は実質Grade 9から) |
| 通学できる期間 | 1学年(10ヶ月)/1学期(5ヶ月) |
| 入学時期 | 通年生は9月。学期生は9月・2月 |
| 卒業目的の留学 | 可能(オンタリオ州高校卒業資格=OSSD) |
| ESL | あり(提供体制は学校により異なる) |
| IB/AP/I-STEM | いずれもあり(別出願) |
| 最寄りの空港 | トロント・ピアソン国際空港(車30〜50分)/ハミルトン国際空港 |
出典:HDSB公式サイトおよびCAPS-I掲載データ(2026年9月13日確認)。数値は年度により変わるため、出願時に最新を確認します。
ハルトン公立教育区の留学費用(2027-2028年度)
結論:授業料は年間 約CAD 17,575(医療保険を含む)。これに出願料CAD 500と、滞在費が別途かかります。 ホームステイは教育委員会が直接運営しておらず、承認業者から選ぶ仕組みのため、滞在費は業者によって変わります。
| 項目 | 金額(CAD) | 備考 |
|---|---|---|
| 出願料 | 500 | 返金されません |
| 授業料(10ヶ月・医療保険込み) | 17,575 | 1学期のみは 8,787.50 |
| ホームステイ滞在費・手配料 | 要問い合わせ | 承認業者により異なる。当社でお見積りします |
| カストディアン(後見人)費用 | 要問い合わせ | ホームステイ業者が併せて提供する場合が多い |
| 当社サポート費 | 要問い合わせ | 手続き代行+現地サポート |
このほかに、航空券、就学許可(学生ビザ)の申請費用、お小遣い、教材・部活動の実費がかかります。
為替について、一言だけ正直に。 支払いはカナダドル建てです。仮に総額20,000ドルの支払いなら、1ドル110円の時と125円の時では日本円で30万円の差が出ます。留学費用を検討するときは、為替が動く前提で、少し余裕をもった資金計画にしてください。
出典:授業料はCAPS-I掲載額(2026年9月13日確認)、出願料はHDSB公式。なおCAPS-Iは出願料を「授業料に含む」と記載し、HDSB公式は別途500ドルと記載しており、表記が分かれています。正式な請求額はHDSBのインボイスで確定します。 当社でお見積りを出す際は、必ず教育委員会に確認したうえでご提示します。
▶ 他の州・他の学区と比べたい方はカナダ高校留学の費用 完全ガイドへ。
出願の条件と流れ|2027年9月入学は2026年10月5日から受付開始
結論:HDSBは2027-2028年度(2027年9月入学)の出願を、2026年10月5日から受け付けます。 学校ごとに留学生の受入枠があるため、実質的には早い順です。卒業を目指す場合は、この秋が動き出すタイミングになります。
出願できる条件
- 英語・数学など主要科目で70%以上の成績
- その年の12月31日時点で18歳以下
- 母国で高校を卒業済みの方は出願できません
- Grade 12から入る場合はIELTS 6.0以上が必要
- Grade 8以下(小学生・中学生)は保護者の同伴が必須
必要な書類
- パスポートの顔写真ページ
- 直近3年分の英文成績証明書
- 最新の通知表(先生のコメント入り)
- 予防接種の記録
- 本人の顔写真
- 志望理由書(Grade 8〜12の出願者)
出願から渡航までの流れ
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1. 出願 | 書類を揃え、オンラインシステム(True North)から出願。出願料500ドルを支払う |
| 2. 承認・支払い | 受入の承認後、授業料・保険料の請求書が届く。全額支払うと入学許可書(LOA)が発行されます |
| 3. 滞在先とビザ | 承認業者にホームステイを申し込む。LOAをもとに就学許可(学生ビザ)を申請。オンライン面談に参加 |
| 4. 渡航・到着後 | 開始の1〜2週間前に到着し、英語のアセスメントを受ける。その結果でESLの配置と時間割が決まる |
渡航前には、Vital English というオンライン教材で事前学習ができます。到着してからの最初の数週間を少しでも楽にするために、使っておく価値があります。
▶ いつから動けばいいのかの全体像はカナダ高校留学の準備スケジュールへ。
滞在方法|ホームステイは「承認業者」から選びます
結論:ハルトン公立教育区は、ホームステイを直接運営していません。 教育委員会が承認した5社のいずれかを、保護者側が選んで申し込む仕組みです(保護者がカナダに同居する場合を除く)。
承認業者は、Canada Homestay Network(CHN)、Dream Homestay Ontario、Educatius Canada、MLI Homestay、Silong International Education Services の5社です。料金・サポート内容・24時間対応の有無は業者によって違います。ここは留学生活の質を最も左右する選択なので、費用の安さだけで決めないでください。キャタリストカナダから良いホームステイ会社をご提案させて頂きます。
参加できるクラブ・課外活動
結論:カナダの高校のクラブは「シーズン制」で、ひとつに縛られません。 秋・冬・春でスポーツが入れ替わるため、1年のうちに複数の競技を経験する生徒がふつうにいます。留学生も同じように参加できます。
スポーツ系:バスケットボール、バレーボール、サッカー、バドミントン、テニス、陸上、クロスカントリー、野球、アイスホッケー、スキー・スノーボード、水泳(プールのある学校)、クリケット など
文化系・その他:演劇、音楽・バンド、ロボティクス、生徒会、環境クラブ、チアリーディング、ダンス、クッキング、アニメ・漫画、ボードゲーム など
クラブは、英語が完璧でなくても居場所ができる場所です。むしろ、英語が伸びるきっかけの多くはここから生まれます。ただし、学校の外のクラブチーム(地域のホッケークラブなど)は、教育委員会も当社もサポートの対象外で、送迎もホストファミリーには基本的に頼めません。本格的に競技を続けたい場合は、その前提を含めて計画を立てる必要があります。
▶ やりたいことから留学先を選ぶで、競技・分野ごとの選び方を解説しています。
近隣の教育委員会との違い
結論:トロント近郊は選択肢が多く、「どこも同じ」ではありません。 ハルトンと迷いやすい学区を挙げておきます。
- ハルトン・カソリック教育区|同じ4市を管轄する、もうひとつの公立。カトリック教徒でなくても出願できます。ハルトンを検討するなら、必ず両方を見比べてください
- ピール教育区|ミシサガ・ブランプトン。ハルトンの東どなりで、カナダ2番目の規模
- ヨーク教育区|トロントの北側。自然と公園が多い多民族エリア
- ハミルトン・ウェントワース教育区|ハルトンの南西どなり。トロントとナイアガラの中間
- トロント教育委員会(TDSB)|カナダ最大。規模と引き換えに、留学生への目配りは薄くなりがちです
ハルトンが、お子さんに合うかどうか。一緒に確かめませんか
私たちは、特定の学校をおすすめする仕事はしていません。お子さんの英語力・性格・やりたいこと・ご家庭の予算をうかがったうえで、ハルトンが合うのか、他の地域のほうが合うのかを一緒に考えます。「まだ何も決まっていない」段階で構いません。まずは無料メールセミナーで全体像をつかむこともできます。
ハルトンの学校選びを無料で相談するよくある質問(FAQ)
Q. ハルトン教育委員会の留学費用は、年間いくらですか? A. 授業料は年間 約CAD 17,575(医療保険込み)、これに出願料CAD 500と滞在費が加わります。滞在費は承認業者によって異なるため、ご相談いただければ実額でお見積りします。
Q. 学校は自分で選べますか? A. 希望を出すことはできますが、確約はされません。教育委員会が1校あたりの留学生数に上限を設けているためです。第2・第3希望まで一緒に決めておくことをおすすめします。
Q. 途中で学校を変えることはできますか? A. できません。HDSBは留学生に対し、卒業まで同じ学校に在籍することを求めています。だからこそ、出願前の学校選びが最も重要です。
Q. 英語力はどのくらい必要ですか? A. 主要科目で70%以上の成績が出願条件です。英語試験のスコアは、Grade 12から入る場合のみIELTS 6.0以上が必要です。それ以外の学年は、到着後の英語アセスメントでESLの配置が決まります。
Q. 中学生でも留学できますか? A. 制度上はGrade 1から受け入れていますが、Grade 8以下は保護者の同伴が必須です。単身留学が可能なのは実質的にGrade 9(日本の中学3年生相当)からとお考えください。
Q. 2027年9月入学の出願は、いつからですか? A. 2026年10月5日から受付開始です。締切の表記は公式サイト内でも分かれていますが、実務上は受入枠が埋まるほうが先になります。早めの準備をおすすめします。
Q. ホームステイは教育委員会が手配してくれますか? A. いいえ。HDSBはホームステイを直接運営しておらず、承認された5社の中から選んで申し込みます。当社では、お子さんの状況に合う業者選びからお手伝いします。
Q. カストディアン(後見人)は必要ですか? A. 必要です。カナダ市民または永住者で、英語を話せる方に限ります。HDSB自身は引き受けないため、多くの場合ホームステイ業者のサービスを利用します。
Q. 就学許可(学生ビザ)が下りなかったら、返金されますか? A. 不許可通知を提出すれば返金されます(管理費1,000ドル控除、出願料は対象外)。ただし、書類の不備が原因の不許可は返金対象外です。
Q. 卒業(OSSD取得)を目指せますか? A. 目指せます。オンタリオ州の高校卒業資格(OSSD)は、必修・選択あわせて30単位、ボランティア40時間、州の読み書き試験(OSSLT)の合格が要件です。何年生から入るかで必要な期間と単位が変わるため、早い段階で設計しておく必要があります。
Q. トロントの教育委員会と比べて、どう違いますか? A. 規模と、目の届きやすさが違います。トロント教育委員会はカナダ最大で、留学生プログラムは事務窓口に近い運営になりがちです。ハルトンのような郊外の教育委員会のほうが、担当者と直接話が通じ、面倒見がよい傾向があります。
