結論から言います。 カナダのホームステイは基本的に3食つきです。それでも食費が増えるご家庭があります。実は原因でよくあるのは、ホストファミリーの手抜きではなく、留学生の生活リズムの乱れです。夜ふかし → 朝起きられない → 朝食もランチも持たずに登校 → 学校のカフェテリアや外で買い食い。この連鎖が習慣化すると、日本の両親のカード請求に確実に乗ってきます。
授業料、ホームステイ費、航空券、お小遣いなど。留学費用のほとんどは、パンフレットや見積書を見れば、だいたいの金額がわかります。エージェントの私がそれを動画や記事でなぞっても、あまり価値がありません。
このシリーズでお伝えしたいのは、見積書には載ってこないのに、実際には家計に効いてくる費用です。留学の最初から最後までたくさんのご家庭をお手伝いしてきたからこそ見えているものを、全5回で書いていきます。1回目は、ホームステイの食費です。
1. カナダのホームステイの「3食つき」とは何か
カナダのホームステイ費用には、朝・昼・晩の3食分の食事代が含まれています。ここは間違いありません。
問題は、その「3食」が日本の親御さんの想像と違うことです。
日本のイメージ
- 朝、起きてダイニングに行くと、お母さんが朝ごはんを用意してくれている
- お昼は、しっかりしたお弁当を持たせてくれる
- みんなで座って「いただきます」
カナダの普通
- 朝と昼は「済ます」
- 朝:キッチンに置いてあるトースト、パン、シリアル、フルーツを自分で取って食べる
- 昼:そこにある材料でサンドイッチを作る。前日の残りのスパゲッティやピザを詰める。それを持って「行ってきます」
これは留学生だけが冷遇されているわけではありません。その家のどの子も同じです。私の子どもたちもカナダの現地校に通っていますが、まさにこの通りです。娘が、妻の作った日本式のお弁当を持っていくと、周りに結構驚かれるそうです。
つまり「3食つき」は嘘ではないけれど、朝と昼は”自分で用意して食べるもの”がキッチンに置いてあるという意味なのです。ここを知らないまま送り出すと、次のズレが起きます。
2. 食費が増える典型パターン
実際によくあるシナリオです。
- 夜、日本の友だちとゲームをする。電話で話す。YouTube、TikTok、Instagramを見る。もちろん、勉強していることもある。遅くまで起きている
- 朝、起きられない。ギリギリに起きて、遅刻しそうになる
- 朝ごはんを食べる時間がない。ランチをパックする時間もない
- 慌てて、手ぶらで学校へ行く
- お腹は空く。学校のカフェテリアでランチを買う。友だちと外に出てマクドナルドで食べる
ここで誤解のないように言っておくと、カナダの学校で昼食を買うこと自体は、まったく珍しくありません。校内にカフェテリアがありますし、ランチタイムに学校の外へ出て食べて戻ってくるのも普通です。仲のいい友だちと時々ランチに出るのは、気分転換にもなるし、いいことだと思います。
問題は頻度です。
マクドナルドに1回行けば10〜12ドル。育ち盛りの子がしっかり食べれば、日本円で1,500円ほどになります。週1回なら気分転換の範囲です。しかし生活リズムの乱れから常態化し、ほぼ毎日になったらどうでしょうか。
その分は、翌月、お父さんお母さんのクレジットカードやデビットカードの請求に、ドンと乗ってきます。
3. 請求に驚いたとき、ホストファミリーに連絡する前に
「ホームステイ先で朝ごはんと昼ごはんが出るはずですよね?」
こういうご連絡を、私たちがいただくことがあります。出るんです。あるはずなんです。
ここで、保護者の方がホストファミリーに直接連絡して、「どうなっているんだ」という苦情のようなやりとりになってしまうことがあります。しかし、ホストマザーはきちんと用意しているのに、留学生の子が夜ふかしして朝起きられず、何も持たずに学校へ行っていた——というのが現実だとしたら。
そこにあるのは事実の食い違いです。ミスコミュニケーションが起き、信頼関係に傷が入り、その家での暮らしそのものがしにくくなってしまいます。この理由で、ホームステイの変更に対応してくれる教育委員会は少ないです。ホストファミリーとの関係を修復するように努力しないさい。となります。
だから、そうなる前に、一度立ち止まってください。
4. 買い食いは「うまくいっていない」サインかもしれない
これが、この記事で一番お伝えしたいことです。
驚くような請求が来たとき、まずは冷静になっていただきたい。なぜなら、それは金額の問題ではなく、お子さんからのサインかもしれないからです。
- ホームシックになっている
- 留学がうまくいっていない
- 勉強についていけていない
- 友だちづくりがうまくいっていない
こうした状態のとき、生活リズムはまず夜から崩れます。夜眠れない。朝起きられない。学校へ手ぶらで行く。買い食いが増える。費用の増加は、その最後に見える形で出てきた症状にすぎないことがあります。
ですので、まずは声をかけてあげてください。
- 朝、起きられてる?
- 何時に起きてるの?
- 夜はちゃんと眠れてる?
そこから話をして、支えてあげてほしいと思います。日本のお父さん、お母さんは、いつでもお子さんの安全地帯です。
そのうえで、「本当に食べるものが何も置かれていない」「何も準備されていない」ということであれば、それはホストファミリーにきちんと伝えなければいけないことです。そのときは私たちに声をかけていただいて、まったく問題ありません。私たちが間に入ります。
一方で、単純に生活習慣の乱れが原因なのであれば、これは子育ての領域です。お父さんお母さんから、ひと言注意していただくことも必要になります。
5. 今日からできる、費用を増やさない工夫
学校のオフィスに朝食が置いてある
私はカナダの高校をたくさん視察していますが、どの高校もエントランスを入るとオフィスがあり、そこに朝食として食べられるものが置いてある学校がたくさんあります。朝ごはんを食べずに来た子のために、リンゴ、バナナ、スナックバーなど、パッと取って食べられるものです。
留学生はこれに気づいていないことがあります。今日はたまたま寝坊してお腹が空いた、というときは、お金を使う前にオフィスへ。リンゴを1つ取って、お昼まで持たせる。それだけで無駄な出費は防げます。
生活リズムを整える
- 学校に行く30分〜1時間前にはしっかり起きる
- 朝ごはんを食べる
- お昼の準備をして、ちゃんと持って学校に行く
このリズムができるだけで、食費はしっかり抑えられます。
出発前に「サンドイッチくらい作れる」ようにしておく
カナダではこういう暮らし方なんだよ、と事前に伝えておくこと。そして、サンドイッチくらいは作れるようにしておくこと。
私のおすすめは、前の日に明日のランチを考えておくことです。ホストファミリーとの生活の中で、「これ残ってるやつ、明日のランチにしていい?」「冷蔵庫の中にあるソーセージを明日のお弁当用に焼いておいてもいい?」と聞いてみる。そんなふうに工夫すると、暮らしそのものが楽しくなります。
料理が苦手なら「フード」「カリナリーアーツ」の授業を取る
カナダの学校には、フードやカリナリーアーツという調理の科目があります。留学が始まったら、この授業を取ってみてください。
- 授業のほとんどがグループでの作業なので、友だちがつくりやすい
- 毎回のように何かを作って食べる
- カナダの家庭のキッチンにある調理器具にも詳しくなる
自分で工夫して、カナダ留学の食生活を豊かにしていけます。
よくある質問(FAQ)
Q. カナダのホームステイは本当に3食ついているのですか? A. はい。ホームステイ費用に朝・昼・晩の食事代が含まれています。ただし朝と昼は「キッチンに置いてあるものを自分で食べる/自分で詰めて持っていく」形が一般的です。日本のように用意された朝食やお弁当が出てくるとは限りません。
Q. カナダの学校で昼食を買うのは悪いことですか? A. いいえ。校内にカフェテリアがあり、ランチタイムに外に出て食べて戻ることも普通です。問題になるのは頻度です。毎日の買い食いが習慣になると、月あたりの負担がはっきり出てきます。
Q. 学校で昼食を買うと1回いくらくらいかかりますか? A. 外食の場合、10〜12ドル程度(日本円でおよそ1,500円)が目安です。週1回なら気分転換の範囲ですが、毎日になると家計に効いてきます。
Q. カードの請求が急に増えました。どうすればいいですか? A. ホストファミリーに直接連絡する前に、まずお子さんの生活の様子を聞いてください。朝起きられているか、夜眠れているか。買い食いの増加は、ホームシックや学校生活の不調のサインであることがあります。本当に食事が用意されていない場合は、私たちが間に入って確認します。
Q. 出発前に準備できることはありますか? A. サンドイッチを自分で作れるようにしておくこと、そして「カナダでは朝と昼は自分で済ます」という前提を親子で共有しておくことです。現地では、フードやカリナリーアーツの授業を取るのもおすすめです。
まとめ
- カナダのホームステイは基本3食つき。ただし朝と昼は「自分で済ます」のがカナダの普通
- 食費が増える最大の原因は、夜ふかし → 朝起きられない → 手ぶらで登校 → 買い食いの連鎖
- 買い食いの増加は、留学がうまくいっていないサインかもしれない。請求に驚いたら、まずお子さんに声をかける
- 学校のオフィスには無料で取れる朝食が置いてあることが多い
- 出発前にサンドイッチを作れるように。現地ではフード/カリナリーアーツの授業を
見積書に載ってこない費用は、あと4つあります。次回以降、順番にお届けします。
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