全寮制コラム

全寮制留学、相部屋でうまくやれる? 孤立しない?──ある6月の夜に見た留学生たちの姿から

水谷通孝

カナダ・ウィニペグ在住。カナダ高校留学エージェントとして20年以上の実績を持ち、自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

全寮制への留学を考えるとき、多くの親御さんが口にされる不安があります。

「うちの子は内気で、集団生活が苦手。相部屋で、他の子とうまくやっていけるだろうか」 「友達ができず、孤立してしまわないだろうか」

とても自然な心配だと思います。今日は、私が実際にカナダの全寮制高校を訪れたときに見た、一つの場面をお話しさせてください。この不安への、私なりの答えがそこにありました。

ある6月の夜、寮の裏庭で

それは、卒業を直前にした6月のある日の夕方のことでした。授業が終わり、夕食も済んだ午後8時ごろ。カナダの夏は日が長く、外はまだ昼間のように明るい時間です。

寮の裏庭では、6人ほどの12年生の女の子たちが、楽しそうにサッカーをしたり、ベンチに腰かけて笑い合っていました。見るからに仲が良く、長いあいだ一緒に過ごしてきた仲間のような空気が流れていました。

「あの子たち、本当に仲良しですね」

私は、思わず学校の担当の方に声をかけました。すると、こんな答えが返ってきたのです。

「最初は、ぶつかってばかりでした」

「今でこそ、みんなお互いをよく知って、大切な友達として理解し合っています。でも、最初からこうだったわけではないんですよ」

担当の方は、少し懐かしそうにこう続けました。

「みんな最初は、学生寮での共同生活の仕方を知りませんでした。出身地も、南アフリカ、オマー共和国、メキシコ、韓国、とバラバラです。生活のいろいろなことでぶつかったり、喧嘩をしたこともありました。でも、ここは小さな町の、小さなボーディングスクールです。逃げ場のない中で、山あり谷ありを一緒に乗り越えていくうちに、それぞれが成長して、友情の輪も強くなっていったんです」

この言葉を聞いて、私は大切なことに気づきました。

「孤立しないか」の本当の答え

親御さんが心配される「相部屋で孤立しないだろうか」という問い。その答えは、実は「最初から仲良くできるかどうか」ではないのです。

今、目の前で笑い合っている彼らも、出発点は「共同生活の作法を知らず、ぶつかり合う」状態でした。今の仲の良さは、衝突を避けた結果ではありません。衝突を一緒に乗り越えた結果なのです。

大きな学校であれば、合わない相手とは距離を置き、関わらずに済ませることもできるでしょう。けれど、人口の少ない小さな町にある小さな寮では、そうはいきません。逃げ場がないからこそ、向き合うしかない。一見すると、厳しい環境に思えます。

でも、その「逃げ場のなさ」こそが、子どもたちに人と関わる力を育ててくれていました。

内気な気質は、変えなくていい

ここで、誤解のないようにお伝えしたいことがあります。

内気な気質そのものは、無理に変える必要はありません。物静かなお子さんが、ある日突然、社交的な性格になる必要もないのです。

けれど、「最初の一歩を踏み出してみる」「ぶつかっても、向き合い続ける」という行動する力は、誰の中にも育てられるものです。そして全寮制の小さなコミュニティは、その力が育つのを、静かに、確実に後押ししてくれる環境でした。

性格を変えるのではなく、行動の選択肢を増やしていく。私は、それこそが留学で得られる本当の成長だと考えています。

なお、お子さんが日本で学校に通いづらかった経験(欠席が多い・不登校)をお持ちなら、欠席が多くてもカナダ高校留学はできる──条件付き入学という選択肢もあわせてお読みください。環境を変えることで、見える景色が変わることがあります。

山と谷こそが、成長の中身

もちろん、これは「全寮制に入れさえすれば、誰でも自然に友達ができて万事うまくいく」という話ではありません。

最初の数週間は、お子さんがホームシックになったり、ルームメイトと衝突して落ち込む日もあるかもしれません。親御さんとしては、胸が締めつけられる時期もあるでしょう。

けれど、あの12年生たちが教えてくれたように、その山と谷こそが、成長の中身なのです。何の摩擦もないまま静かに過ぎていく1年よりも、ずっと豊かで、お子さんの一生の財産になる時間になります。

最後に

人口の少ない小さな町にあるフルフォード・アカデミーは、まさにこうした「小さく、手厚く、逃げ場のない」環境の中で、英語力と人としての成長を同時に育てられる学校です。

少人数制のクラス、一人ひとりへの個別サポート、そして安全で落ち着いた小さな町。その全体像や費用については、少人数・全寮制フルフォード・アカデミーのプログラム・学費の詳細はこちらで詳しくご紹介しています。

もしお子さんが、人間関係よりも「そもそも朝、教室に向かうこと」に距離を感じるタイプなら、「朝、行けない」が丸一日の欠席にならない──全寮制という環境が向いている理由もお役に立つかもしれません。

生活面のあとは、費用も気になりますよね。全寮制の費用は高すぎる?塾代込みと差額の活かし方で、費用の考え方をお話ししています。

「うちの子の性格でも、大丈夫だろうか」——もしそう感じられたら、どうぞ気軽にLINEでご相談ください。お子さんの様子をうかがいながら、一緒に考えさせていただきます。

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カナダ・ウィニペグ在住。カナダ高校留学エージェントとして20年以上の実績を持ち、自身の3人の子どもたちもカナダの学校に通っています。現地在住の立場から、費用・学校・生活の最新情報を直接お伝えします。

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