カナダの全寮制(ボーディングスクール)留学を検討するとき、多くのご家庭が「授業料+寮費」だけで総額を見積もります。ですが実際には、それ以外にも毎年くり返しかかる費用があり、見積もりと現実が大きくずれることがあります。
このページでは、私たちが実際に支払いまでサポートしている3校(オタワ・ビクトリア・オンタリオ地方)の2026-27年度の実費用をもとに、全寮制留学の費用の「本当の内訳」と、特に見落とされがちな費用を正直にお伝えします。金額の大きさよりも、「何に・いつ・いくらかかるのか」を先に知っておくことが、後悔のない選択につながります。
結論:相場は年間およそ¥720万〜¥1,080万+(授業料+寮費)
結論:カナダの全寮制は学校による幅が大きく、授業料+寮費(食事込み)だけで年約¥720万〜¥1,130万。小規模なアカデミーは抑えられ、CAIS認定の名門校になるほど高くなります。そして総額は、ここに後述の「見落としがちな費用」が必ず上乗せされます。
| タイプ | 年間 授業料+寮費の目安(CAD) | 円換算(CAD1=¥120) |
|---|---|---|
| 小規模なアカデミー(CAIS非認定・お値打ち) | 約 60,000〜 | 約 720万円〜 |
| CAIS認定校・標準帯 | 約 70,000〜88,000 | 約 840〜1,056万円 |
| CAIS認定校・名門/プレミアム帯 | 約 88,000〜94,500 | 約 1,056〜1,134万円 |
※金額は実際に支援している学校の2026-27年度の実費用と公開情報をもとにした丸め値です。為替は変動します(本記事は計画用に CAD1=¥120 で換算)。※「CAIS」はカナダ独立学校協会の認定。認定校は教育品質が保証され費用も高めになる傾向があり、より小規模なアカデミーはその下の価格帯になります。
ただし、これは「授業料+寮費」だけの金額です。 全寮制留学では、このあとご説明する費用が別途かかります。ここを知らずに予算を組むと、必ず足りなくなります。
費用の内訳・5つの項目
結論:全寮制の費用は、大きく「授業料」「寮費」「食費」「医療保険」「諸経費」の5つに分かれます。ただしどこまでが授業料に“含まれるか”は学校ごとに違うため、項目名だけで比較すると見誤ります。
| 項目 | 含まれるもの | 補足 |
|---|---|---|
| 授業料 | 授業・基本学費 | 学校差が最も大きい |
| 寮費 | 宿泊(食事込みが一般的) | 食事込みか必ず確認 |
| 食費 | 多くは寮費に含む | 通学生は別途の学校も |
| 医療保険 | 留学生に必須 | 授業料に込みの校/別建ての校がある |
| 諸経費 | 活動・遠足・教材・後見等 | 毎月積み上がる(後述) |
なぜ学校によって費用が違うのか
結論:差の主な理由は立地(都市か地方か)・学校の規模・施設・知名度ですが、それと同じくらい大切なのが**「同じ授業料でも、何が含まれるかが違う」**という点です。
たとえば大都市の名門校は施設も整い知名度も高いぶん費用が上がり、地方の小規模校は比較的お値打ちになる傾向があります。どちらが良い・悪いではなく、お子さんに合うかどうかで考えるべき部分です(ここで学校は“差を説明する例”として扱い、特定校を推すことはしません)。
そのうえで見落としがちなのが、含まれる範囲の違いです。私たちが入学手続きをサポートする名門校でも、ある校は医療保険や授業料返還プランを授業料に込みにしている一方、別の校は医療保険を別建てで請求します。授業料の数字だけを並べても、実は比較になっていないのです。
【最重要】見落とされやすい費用 ― 毎年かかるのに見積もりから抜けがち
ここがこのページで最もお伝えしたいところです。全寮制の費用は授業料と寮費だけではありません。医療保険の扱い・後見人・初年度の一時費用・長期休暇中の滞在費・毎月の諸費用を、最初に知っておくことが大切です。
(A) 医療保険 ― 「込み」か「別建て」かで総額が変わる
結論:医療保険を授業料に含む学校と、別建てで請求する学校があります。
実際に、私たちが入学手続きをサポートする名門校のうち、ある学校は医療保険を授業料に込みにしていますが、別の校は授業料+寮費とは別に年 約 CAD 1,350を請求します。一見ほぼ同じ授業料に見えても、ここで差が出ます。
✓ 確認ポイント
「その授業料に医療保険は含まれていますか?」を必ず確認しましょう。込みか別かで、見積もりが年十数万円ずれます。
(B) 後見人(カストディアン)― 学校が務める校/家庭が別途用意する校
結論:カナダで未成年が留学する場合、現地に「後見人」を立てることが法律で義務づけられています。これを学校が務めてくれる場合と、家庭が別途専門会社に依頼する場合があります。
就学許可(学生ビザ)の申請には、公証された後見人宣誓書類が必要です。私たちがサポートする学校でも、ある学校は学校自身が後見人を務める(追加費用なし)一方、オンタリオでは学校が提供せず、家庭が専門の後見サービス会社を利用するケースが多くあります。その場合の費用は年 約 CAD 2,500が目安です。
正直にお伝えすると、校内サポートが手厚い学校では、後見会社が実際に動く場面はそれほど多くありません。それでも書類のために契約は必要——いわば「手続きを成立させるための費用」に近い側面があります。だからこそ、最初から予算に入れておくことが大切です。
✓ 確認ポイント
「後見人は学校が務めますか、別途必要ですか?」を必ず確認しましょう。別途の場合、年 CAD 2,500 前後(約30万円)が上乗せされます。
(C) 初年度だけの一時費用 ― 出願料・入学金・登録料
結論:渡航初年度には、毎年はかからない一時費用がまとまって発生します。
学校によって名称も金額も異なりますが、たとえば出願料(数百ドル)、入学金(1回・返金不可で CAD 数千〜8,500 程度)、登録料(CAD 3,000 前後)、オリエンテーション費(CAD 1,500 前後)などです。これらは初年度に集中するため、「初年度だけ予算が跳ねる」ことを知っておくと安心です。
(D) 長期休暇中の滞在と費用 ― 寮は夏・冬・春に閉まる
結論:カナダの全寮制は夏休みだけでなく、冬休み・春休みも学生寮が閉まります。そのたびに過ごし方を決める必要があり、いずれの選択肢にも費用がかかります。
長期休暇は寮スタッフも休むため、施設が閉鎖されます。選択肢は次の3つです。
| 選択肢 | 内容 | かかる費用 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ① 一時帰国 | 帰国して過ごす | 往復航空券(冬休みは繁忙期で高額) | 家族に会えるが回数が多いと負担大 |
| ② 休暇中ホームステイ | 休暇中だけ別途手配 | 滞在費(学校・地域で幅/個別見積もり) | 英語環境を維持できる |
| ③ 学校企画の旅行に参加 | 学校主催のトリップ | 参加費(連休プログラムで1回 約 CAD 1,000 の例) | 友人と過ごせるが費用は別途 |
さらに夏休み(7〜8月)にカナダでの滞在を希望の場合には後見人の問題があります。高校プログラムの後見人責任は6月で終わるため、未成年は単独で滞在を延長できません。語学プログラムやサマーキャンプに参加して後見人を確保する必要があり、その費用も別途かかります。
(E) 毎月積み上がる諸費用 ― 「お小遣い」では済まない
結論:全寮制校は、学生が校内で使った分(活動費・遠足・売店・スナック・教材など)を毎月、明細で請求してきます。
私たちがサポートする名門校の公開資料でも、授業料・寮費とは別に、こうした諸費用は**年 約 CAD 4,400〜6,600(約53〜79万円)**が目安と明記されています。特に金額が大きくなるのは、連休・週末に学校が企画するアクティビティです。寮が閉まる時期に開催されるこれらは1回で数百ドルになることもあり、(D)の休暇費用とも地続きです。
ただ、これは“無駄遣い”ではありません。お子さんが行事・遠足・友人との時間を含む充実した寮生活を送っている証でもあります。だからこそ「ゼロにする」より、最初から予算に入れておくのが正解です。
3年間でいくら上乗せになるか
結論:授業料・寮費以外の費用だけで、3年間で数百万円規模の上乗せになることも珍しくありません。
医療保険(別建てなら年 CAD 1,350 前後)+後見人費用(別途なら年 CAD 2,500 前後)+休暇中の滞在・活動費(年に複数回)+毎月の諸費用(年 CAD 4,400〜6,600)を3年分合わせると、授業料・寮費の総額(CAIS名門帯で約¥3,150〜3,400万、お値打ち帯で約¥2,160万)に、さらに相応の金額が積み上がります。これを知らずに渡航すると、途中で資金計画が苦しくなります。
公立との費用差を「どう捉えるか」
結論:全寮制が公立より高いのは事実です。ただ、「日本の私立高校+塾・予備校の費用」と比べると、見え方が変わることがあります。
全寮制の費用には、学習・生活・課外活動・進路指導が一体で含まれています。日本で私立高校に通い、さらに塾や予備校に通った場合の総額と並べてみると、「思っていたほど別世界の金額ではない」と感じるご家庭もあります。一方で、公立留学のほうが明らかに費用を抑えられるのも事実です。
費用と価値のバランス ― 「その子に合うか」で考える
結論:費用は大切ですが、最後に問うべきは「その子に、その環境が合っているか」です。
全寮制が向く子もいれば、ホームステイから公立に通うほうが伸びる子もいます。私たちは特定の学校に送り込むことを目的にしていません。費用と本人の性質・目標を一緒に並べて、納得できる選択を一緒に探すお手伝いをしています。
よくある質問
Q. 全寮制で一番費用を抑える方法は? A. 地方のお値打ちな全寮制を選ぶ、休暇の過ごし方を工夫する、毎月の諸費用と「含まれる範囲」を把握しておく、の3点が現実的です。
Q. 授業料に医療保険は含まれますか? A. 学校によります。込みの校も、別建て(年 CAD 1,350 前後の例)の校もあります。比較時は必ず確認しましょう。
Q. 後見人は学校が用意してくれますか? A. 学校が務める校もあれば、家庭が別途専門会社に依頼する校(オンタリオに多い・年 CAD 2,500 前後)もあります。
Q. 分割払いはできますか? A. 多くの学校が授業料を複数回(年4回程度など)に分割しています。回数は学校により異なります。
Q. 途中で公立に転校できますか? A. 可能な場合もありますが、単位の引き継ぎなど注意点があります。事前にご相談ください。
まとめ:全寮制の費用は「見えない費用」まで含めて考える
カナダ全寮制留学の費用は、授業料・寮費だけでなく、医療保険の扱い・後見人・初年度の一時費用・長期休暇中の滞在費・毎月の諸費用まで含めて初めて全体像が見えます。そして「何が含まれるか」は学校ごとに違います。これらを最初に知っておくことが、後悔のない選択の第一歩です。
私たちは、お子さんの目標と費用の両面から「合う場所」を一緒に考えます。まずは情報を整理することから始めてみませんか。
全寮制留学の費用と選び方を、メールで順番に整理できます。
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